『エール』あれこれ「アナザーストーリー」2020-06-21

2020-06-21 當山日出夫(とうやまひでお)

『エール』第12週「アナザーストーリー」
https://www.nhk.or.jp/yell/story/week_12.html

前回は、
やまもも書斎記 2020年6月14日
『エール』あれこれ「家族のうた」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2020/06/14/9257266

この週は、番外編の三つの物語。
「父、帰る」
「古本屋の恋」
「環のパリの物語」

もっとも奇想天外だったのが、月曜・火曜の「父、帰る」。音の父(安隆)が、あの世から現世に現れるという話し。幽霊と言っていいのだろうか。

見ていて思ったこととしては、確か、音の一家はクリスチャンであったはずなのに、あの世では閻魔様が出てきていた。地獄の責め苦にあっていたようではなかったが、さりとて、天国で安楽にしているということもでもないようだった。

しかし、幽霊になった父のことを、音も、光子も、すんなりと受け入れていた。このあたり、どことなく、不思議な感じもするし、同時に、ユーモラスでもあり面白かった。

そして、バンブーの夫婦の話。古本屋をやっていた保のもとに、客として現れた恵。その二人をむすびつけたのが、久志だった。なるほど、バンブーという喫茶店の過去には、こんなことがあったのかと感じさせる展開であった。

最後は、環のパリでの恋。若き日の環の姿も印象的だったが、それよりも、画家の嗣人が、愛人の芸術に嫉妬する、才能はあるのだろうが今一つぱっとしない画家として、短い話しのなかで、巧妙に描かれていたと感じる。環は、恋よりも、芸術を選んだことになる。その環が、音に対してどう振る舞うことになるのか、この辺りが興味深かった。(結果的には、たぶん、音は、夫の裕一を選ぶということになるのだろうが。)

さて、来週もまだ放送はつづくようだ。久しぶりに、ミュージックティーチャーも登場するらしい。楽しみに見ることにしよう。

2020年6月20日記

追記 2020-06-28
この続きは、
やまもも書斎記 2020年6月28日
『エール』あれこれ「スター発掘オーディション」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2020/06/28/9262381