『利家とまつ』あれこれ2020-06-30

2020-06-30 當山日出夫(とうやまひでお)

先週に引き続き、まだ麒麟がこないので、過去の大河ドラマの特集である。

『利家とまつ』は、放送のとき見てはいない。すでにテレビを持っていたころのことになるのだが、このドラマは見なかった。が、とりあえず、NHKの特番を見て思ったことなど書いて見る。

第一には、家族と友情。

『利家とまつ』は、前田利家とその妻のまつが主人公である。夫婦の物語として描いたところに、大河ドラマとしての斬新さがあったのだろう。しかも、時代は戦国時代である。乱世を生きる武将の姿のみならず、その家族のことを描いているというのは、今見ても新鮮な感じがする。

そして、豊臣秀吉との友情。戦国時代にあって、この仲間の武将との友情というのは、意外と描きにくいところかもしれない。そこを、ただのライバルではなく、仲間として友情を描いていたところも、このドラマの特色といえるかもしれない。

第二には、織田信長と本能寺の変。

これは、戦国時代ドラマの定番だから、本能寺の変ははずすことはできない。ここで登場していた明智光秀もまた、戦国時代ドラマの主要な登場人物と言ってよい。

これから、『麒麟がくる』では、織田信長のもとでつかえる明智光秀と、最終的には本能寺の変のところまでを描くことになるはずである。このところの、明智光秀のこころのうち、最終的に、信長に謀反を決意するにいたる経緯、そして、起こることになる本能寺の変……これらを、『麒麟がくる』では、どのように描くことになるのか、まさに興味深い。ここで、先週の『国盗り物語』に続いて、『利家とまつ』でも、本能寺の変の場面を見せていたのは、『麒麟がくる』では、過去のドラマとは違った解釈であり、筋立てであることを、予感させるものである。

それが、いったいどのような本能寺の変になるのか、期待はますます高まるばかりである。

以上の二点が、『利家とまつ』の特番を見ていて思ったことなどである。

さて、あとしばらくは麒麟はこないようだ。収録は再開のようだが、これも、COVID-19の感染の拡大によっては、またどうなるかわからない。とりあえず、来週は、東京都知事選でお休み。その次の放送を楽しみに見ることにしよう。

2020年6月29日記