『源氏物語』(3)葵・賢木・花散里2020-07-03

2020-07-03 當山日出夫(とうやまひでお)

源氏物語(3)

阿部秋生・秋山虔・今井源衛・鈴木日出男(校注・訳).『源氏物語』(3)葵・賢木・花散里.小学館.1998
https://www.shogakukan.co.jp/books/09362083

続きである。
やまもも書斎記
『源氏物語』(2)若紫・末摘花・紅葉賀・花宴
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2020/07/02/9263919

第三冊目である。「葵」「賢木」「花散里」をおさめる。

これまで何回か、『源氏物語』を読んできているのだが、この小学館版で読むと、また印象がちがってくるところがある。特に、「葵」の巻が印象深い。

なによりも、葵の上にとりついたもののけが不気味である。もののけというものが、人びとの生活のなかにリアルに存在した時代だからこそ書けたものだろう。また、このようなもののけの描写を見ると、『今昔物語集』などのことも思うことになる。

葵の上の死、ただ、それを描くのみではなく、それに続けて、二条院での紫の上と夫婦の関係になるところまでを描いている。このあたりの書き方を読んでいくと、まさに物語としての小説的な面白さというものを感じずにはおられない。また、随所にある、このテクストの校注者の評言も、読んでみると、いかにも現代の目で『源氏物語』を読んでいるという感じがつよい。

たしかに、『源氏物語』を読むのに、古注や宣長などにしたがって読むというのもありうる方針である。しかし、それらをふまえつつ、現代の我々の目で読んでみて、この作品の「文学」である所以をさぐっていくというのも、これはこれで一つの見識と思う。

「賢木」で、朧月夜の君との密会が露見して、その結果、光源氏は須磨から明石へと流謫の境遇に身をおくことになる。さて、次の冊で、「須磨」「明石」になる。ここは一気に読み進むことにしよう。

2020年6月16日記

追記 2020-07-07
この続きは、
やまもも書斎記 2020年7月7日
『源氏物語』(4)須磨・明石・澪標
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2020/07/07/9265584

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。

名前:
メールアドレス:
URL:
次の質問に答えてください:
このブログの名称の平仮名4文字を記入してください。

コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://yamamomo.asablo.jp/blog/2020/07/03/9264230/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。