『麒麟がくる』あれこれ「逃げよ信長」2020-11-10

2020-11-10 當山日出夫(とうやまひでお)

『麒麟がくる』第三十一回「逃げよ信長」
https://www.nhk.or.jp/kirin/story/31.html

前回は、
やまもも書斎記 2020年11月3日
『麒麟がくる』あれこれ「朝倉義景を討て」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2020/11/03/9312628

だが、結局は光秀は謀反をおこして信長を殺すことになる。その結果がわかったうえで見ると、いろいろと面白い展開の回であった。

越前の朝倉を討ちに出陣した信長。しかし、その背後を浅井に攻撃されることになる。かろうじて逃げ帰る。このところで、見どころは二点ぐらいだったろうか。

第一に、信長と光秀。

光秀は、信長に逃げることを進言する。しかし、信長は素直にはうけいれない。ここでの二人のやりとりは、実に緊迫した場面であった。光秀は、信長こそ、天下静謐のために重要な人物であると認識している。そのためには、ここはなんとしてでも生きのびてほしい。

その光秀が、最終的には、本能寺の変をおこすことになる。大きな国、麒麟の現れる世の中をめざしている光秀にとって、信長はどんな存在になっていくのであろうか。これからの展開が楽しみになる。

第二に、秀吉と光秀。

このドラマ、秀吉の登場はそう多いということではないようだ。だが、信長の配下にあって、独特の存在感がある。この時点では、秀吉と光秀は盟友といってよいのだろう。これも、最終的に本能寺の変の後、時代の大きな流れは秀吉に傾くことになるのは、歴史の結果を知っている今日だから思えることである。ドラマの、この時点において考えてみるならば、秀吉と光秀が仲良く、信長のもとで、大きな国、天下をめざしてともに戦う姿を見ることになる。

以上の二点が、見ていて思ったことなどである。

ところで、前から気になっていたことだが、このドラマ、女性が床に座るときは立て膝である。しかし、駒は将軍義昭の前でも、正座していた。このあたりの時代考証の考え方としては、身分による立ち居振る舞いの違いということなのだろうかと思う。

ドラマは、ここにきて、ようやく「天下」ということが表に出てきたように思う。足利将軍の治める天下なのか、あるいは、誰かがそれにとってかわることになるのか。歴史の結果としては分かっているのだが、このあたり、ドラマとしては天下をめぐって展開していくことになるのだろうと思う。

次回、信長を軸にして大きく世の中が動くようである。楽しみに見ることにしよう。

2020年11月9日記

追記 2020-11-17
この続きは、
やまもも書斎記 2020年11月17日
『麒麟がくる』あれこれ「反撃の二百挺」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2020/11/17/9317360

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