『おちょやん』あれこれ「楽しい冒険つづけよう!」2021-01-17

2021-01-17 當山日出夫(とうやまひでお)

『おちょやん』第6週「楽しい冒険つづけよう!」
https://www.nhk.or.jp/ochoyan/story/06/

前回は、
やまもも書斎記 2021年1月10日
『おちょやん』あれこれ「女優になります」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2021/01/10/9336178

この週で、千代は女優としてスタートすることになる。

まず、山村千鳥一座での、いきなりの主演。これはたまたまそうなったという設定であるが、「正ちゃんの冒険」で主役をつとめることになる。たぶん、このような展開にでもしないと、長い下積み生活があって、徐々に役をつかんでいくということだったら、このドラマも面白くない。

いきなりの主役であった。また、小道具が無くて、途中からアドリブで芝居を進めるなどアクシデントもあったが、ともかく、評判はよかったようだ。そして、そのことを、千鳥も認めることになる。

その結果、千代は、映画の撮影所に女優として入ることをゆるされる。しかし、ここの所長といい、監督といい、くせ者ぞろいという印象である。はたして、無事に千代は女優としてやっていけるのだろうか。

この週で印象に残っているのは、やはり千鳥の述懐かもしれない。自分の生まれ……政治家の妾の子……から、結婚、そして、芸能の道へと、その人生は多難なものであったようだ。その千鳥も、千代の熱心さには折れたということでいいのだろう。結果として、千鳥からの紹介で、映画の世界に千代は入ることになる。

千鳥の複雑な心中を、うまく若村麻由美が演じていたと感じる。(この週で、もう千鳥は出てこないのだろうか。ちょっとさみしい気がする。)

このドラマでいいと思うことの一つは、劇中劇の部分をきちんとつくっていることにあると思う。京都の劇場での「正ちゃんの冒険」にしても、また、映画の撮影シーンにしても、きちんと作ってある。それにしても、下手な芝居をする役者を演じるというのも、これはこれで、演技としては、かなり難易度の高いことだと思う。ここのところを、見事にこのドラマは作っている。

次週以降、映画撮影所での話しになるようだ。高城百合子もまた出てくるらしい。どんなことになるのか、楽しみに見ることにしよう。

2021年1月16日記

追記 2021-01-24
この続きは、
やまもも書斎記 2021年1月24日
『おちょやん』あれこれ「好きになれてよかった」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2021/01/24/9340454