『麒麟がくる』あれこれ「闇に光る樹」2021-02-02

2021-02-02 當山日出夫(とうやまひでお)

『麒麟がくる』第四十三回「闇に光る樹」
https://www.nhk.or.jp/kirin/story/43.html

前回は、
やまもも書斎記 2021年1月26日
『麒麟がくる』あれこれ「離れゆく心」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2021/01/26/9341089

いよいよ本能寺の変にむけてドラマは動いていく。

この週の見どころとしては、次の二点がある。

第一には、帰蝶のこと。

光秀と帰蝶の対話が印象的であった。光秀はたずねる。道三であったならば、どうするであろうか。それに対して、帰蝶はこたえる。毒を盛る、と。

このあたりの光秀のこころのうちの動きが、本能寺の変につながっていくのだろうとは思う。しかし、あえて帰蝶の口からそのように語らせた脚本は、大胆である。

第二には、信長のこと。

信長は暴君である。その暴虐、理不尽はとどまるところをしらない。これに対して、家臣たちは、ただだまって耐えるだけのようである。その中にあって、光秀はひたすら我慢するしかない。

以上の二点が、この回で印象に残っているところである。

もう光秀のこころのうちには、信長を討つことが決まっているのかもしれない。ただ、その意識下のことに、光秀自身がはっきりと気づいていないだけのように見える。

信長は討たれるべくして討たれることになり、その役割は時代の流れのなかで光秀のものとなる……このようなある種の歴史の必然的な流れのようなものを、どことなく感じるドラマになっているかと思う。信長は天下を治めるに足る人物ではない、このように見定めたとき、光秀のこころはきまるのだろうか。

ともあれ、いろいろあって、このドラマは、一年以上続いてきたことになる。最後のクライマックスにむけて、次週を楽しみに見ることにしよう。

2021年2月1日記

追記 2021-02-09
この続きは、
やまもも書斎記 2021年2月9日
『麒麟がくる』あれこれ「本能寺の変」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2021/02/09/9345477

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。

名前:
メールアドレス:
URL:
次の質問に答えてください:
このブログの名称の平仮名4文字を記入してください。

コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://yamamomo.asablo.jp/blog/2021/02/02/9343313/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。