『麒麟がくる』あれこれ「本能寺の変」2021-02-09

2021-02-09 當山日出夫(とうやまひでお)

『麒麟がくる』最終回「本能寺の変」
https://www.nhk.or.jp/kirin/story/44.html

前回は、
やまもも書斎記 2021年2月2日
『麒麟がくる』あれこれ「闇に光る樹」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2021/02/02/9343313

ついに最終回、本能寺の変である。なるほど、光秀が謀反にいたる理由は、そのあたりにあったのかと、これはこれで納得のいく本能寺の変であった。

COVID-19のせいで、このドラマも異例の放送となった。途中、収録が中断し、年をまたいでの放送になった。しかし、予定していた回数は、放送になったようだ。

歴史の結果はわかっていても……光秀が本能寺の変をおこし、その後、天下をとることなく敗れ去ってしまうこと……それを、歴史ドラマとして描くことは、難しくもあり、また、興味深くもあることである。そこを、このドラマは、きわめて巧く描いていたと思う。

明智光秀を主人公とする、ということから、もう歴史の結果は周知のことである。だが、そこにいたるまでの、戦国の時代を生きた人びと……武士は無論のこと、上は天皇から、一般の庶民にいたるまで……様々な人びとの情念を、このドラマは描いてきた。その情念のいきつく先を象徴しているのが、「麒麟」ということばなのであろう。

やや偏屈な見方かもしれないが、このドラマは、何よりもタイトル『麒麟がくる』がいい。歴代の大河ドラマのなかでも、傑出したタイトルではないだろうか。

これまで多くのドラマで、明智光秀は描かれてきた。そのなかで、今回の『麒麟がくる』の明智光秀は、印象に残るものである。さらには、織田信長しかり、斎藤道三しかし、また、そう多くの出番があったわけではないが、豊臣秀吉も独特の描き方であった。帰蝶のことも印象深い。戦国時代大河ドラマのなかで、この作品は傑作として残ることだろうと思う。

さて、次週からは、あたらしく『青天を衝け』である。幕末から明治が舞台になる。この時代も、これまでに数多くのドラマで描かれてきた。どんな歴史ドラマになるのか、楽しみに見ることにしよう。

2021年2月8日記

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