『こわい部屋』北村薫(編)2021-02-22

2021-02-22 當山日出夫(とうやまひでお)

こわい部屋

北村薫(編).『こわい部屋-謎のギャラリー-』(ちくま文庫).筑摩書房.2012 (新潮文庫.2002 増補)
https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480429629/

この本、今ではもう売っていないようだ。古本で買った。

収録してあるのは次の作家。
南伸坊
ディーノ・ブッツァーティ
小熊秀雄
林房雄
クレイグ・ライス
ブライアン・オサリバン
ジーン・リース
樹下太郎
ヘンリー・スレッサー
アン・ウォルシュ
ヘンリィ・カットナー
ジャック・フィニイ
ドナルド・ホーニグ
ジョン・コリア
フョードル・ソログープ
ガストン・ルルー
乙一
C.L.スイーニイ

北村薫の「名短篇」(ちくま文庫)のアンソロジーをまとめて読んだ続きで手にした。そのタイトルのとおり、「こわい」話しを集めてある。たしかにこれは名アンソロジーといっていいだろう。

基本的にどの作品も短い。なかにはショートショートといっていいような作品もある。だが、どれもこわい話しとしては、一級の作品ぞろいである。さすが北村薫の編集という本である。

解説には、北村薫と宮部みゆきの対談が掲載になっている。収録の作品ごとに、読みどころのポイントが解説してある。(これは、本を読んでから読むのがいいだろう。)

ところで、このなかに入っている作品で、ちょっと長めなのが、「夏と花火と私の死体」。乙一である。これは傑作である。無論、こわい話しとして読んで一流の作品になっているのだが、ミステリーとして、「本格」である。幼い兄弟と、死体の話しで進んでいくのだが、最後にちょっと驚く結末が用意してある。たくみなフーダニットになっている。

今、他に、北村薫のアンソロジーで手軽に手に入るものとしては、『謎の部屋』(ちくま文庫)がある。これについては、次に。

2021年2月18日記

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