『寡黙な死骸 みだらな弔い』小川洋子 ― 2021-03-04
2021-03-04 當山日出夫(とうやまひでお)

小川洋子.『寡黙な死骸 みだらな弔い』(中公文庫).中央公論新社.2003 (実業之日本社.1998)
https://www.chuko.co.jp/bunko/2003/03/204178.html
続きである。
やまもも書斎記 2021年2月27日
『密やかな結晶』小川洋子
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2021/02/27/9351142
この作品のような趣向の連作短篇をなんといったか、たしか文学用語であったと記憶するのだが、忘れてしまっている。ある作品のなかに出てきた事柄、あるいは作品そのものが、他の作品のなかの題材として新たな視点から描かれる。このようなことはともかく、連作短篇として読んで面白い。そして、全体として非常に巧みである。読み終わって、ああなるほど、全体としてこういう構成の小説だったのかと改めて気づく。
さらに書いておくべきは、小川洋子というのは、「怖い話し」を書かせたら逸品である、ということである。いくつか奇妙な味わいの作品があるのだが、連作として読んでいくと、その底流にある恐怖というものに、ふと思い当たる。まさに奇妙な味わいの恐怖小説といってもいいかもしれない。
そう長い作品というのではない。気楽に読めるが、一息に読んでしまう。読み終わって、ため息をつきたくなる、そんな小説である。
2021年2月18日記
https://www.chuko.co.jp/bunko/2003/03/204178.html
続きである。
やまもも書斎記 2021年2月27日
『密やかな結晶』小川洋子
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2021/02/27/9351142
この作品のような趣向の連作短篇をなんといったか、たしか文学用語であったと記憶するのだが、忘れてしまっている。ある作品のなかに出てきた事柄、あるいは作品そのものが、他の作品のなかの題材として新たな視点から描かれる。このようなことはともかく、連作短篇として読んで面白い。そして、全体として非常に巧みである。読み終わって、ああなるほど、全体としてこういう構成の小説だったのかと改めて気づく。
さらに書いておくべきは、小川洋子というのは、「怖い話し」を書かせたら逸品である、ということである。いくつか奇妙な味わいの作品があるのだが、連作として読んでいくと、その底流にある恐怖というものに、ふと思い当たる。まさに奇妙な味わいの恐怖小説といってもいいかもしれない。
そう長い作品というのではない。気楽に読めるが、一息に読んでしまう。読み終わって、ため息をつきたくなる、そんな小説である。
2021年2月18日記
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