映像の世紀(6)「独立の旗の下に」2021-05-07

2021-05-07 當山日出夫(とうやまひでお)

NHK 映像の世紀 第6回 独立の旗の下に アジアは苦難の道を歩んだ

続きである。
やまもも書斎記 2021年4月30日
映像の世紀(5)「世界は地獄を見た 無差別爆撃、ホロコースト、原爆」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2021/04/29/9371985

三日(月曜日)の放送。録画しておいて、五日(水)の朝に見た。雨の日である。

登場していた主な歴史上の人物は、ホー・チ・ミン、ガンジー、それから、毛沢東に蒋介石、といったところ。第二次世界大戦後の、アジア諸国の独立をめぐる一連の動きであった。

この番組の放送されたのが、一九五五年。つまり、二〇〇一年の世界同時多発テロ事件より以前のことになる。思い起こせば、これは、新たな世界規模での宗教対立のはじまりであったのかもしれない。この意味においては、インドの独立におけるガンジーのことばは、今にひびくものがある。

ベトナムのことについて思って見るならば、私のものごころついた時には、ベトナム戦争……アメリカとの戦い……は、始まっていた。ベトミンとフランスとの戦いは、その前史ということになる。そして、戦前からのホー・チ・ミンの活動は、見ていて興味深いものであった。

今では、ホー・チ・ミンという名前は、多くの日本人にとっては、ベトナムの都市の名前として記憶されていることになるだろう。私ぐらいの年代だと、サイゴンといわれた方がまだ分かりやすくもある。(ちなみに、今、この文章は、ATOKで入力しているのだが、「サイゴン」と入力すると、「ホーチミン」に地名が変更になった旨を教えてくれる。)

この番組においては傍流のできごとのごとく描かれた満州国。はたして満州とは、戦前の日本にとって何であったのか、まだ答えは不明なのかもしれない。満州国皇帝の溥儀が、昭和天皇と一緒に映っている姿は、実に興味深い。

中国のことについては、一九五五年の放送では、このようになるのかと思ったところである。私の世代であれば、毛沢東は、中国を統一し(台湾、香港を除くことになるが)、独立を成し遂げた指導者という印象をもっている。また、同時に、蒋介石についても、そう悪い印象は持っていない。

これが、今の中国……習近平の独裁のもとにある……を思い浮かべてみるとき、中国をどう描くかは、その時々の国際情勢が微妙に影を落とすことになるだろうと思う。

次回は、ヤルタ会談のあたりから世界史を展望することになるようだ。楽しみに見ることにしよう。

2021年5月5日記

追記 2021-05-14
この続きは、
やまもも書斎記 2021年5月14日
映像の世紀(7)「勝者の世界分割」
https://yamamomo.asablo.jp/blog/2021/05/14/9377361

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