『おちょやん』あれこれ「うちの大切な家族だす」2021-05-09

2021-05-09 當山日出夫(とうやまひでお)

『おちょやん』第22週「うちの大切な家族だす」
https://www.nhk.or.jp/ochoyan/story/22/

前回は、
やまもも書斎記 2021年5月2日
『おちょやん』あれこれ「竹井千代と申します」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2021/05/02/9373105

この週は、千代のラジオドラマの話し。そして、同時に千代をとりまく「家族」の物語でもあった。

第一には、ラジオドラマの家族。

ラジオドラマの設定が、当郎と夫婦で、多くの子どもがいるという設定。そこに出演する役者、そして、そこで演じられるドラマが、まさに家族の物語になっている。

千代は、ドラマに出演している役者たちをみんな家族と思っている。静子が役者を続けられるかどうかとなったとき、親身になって心配していた。

第二には、千代と春子、栗子のこと。

栗子はこの世を去ることになる。その最後のことばとして、みんなで家族として生きて生きたいと願う。それに千代はこたえることになる。春子とこれからも一緒に暮らしていくことになる。

が、そもそも、千代は家庭にめぐまれていない。父親のテルヲからは家を出て奉公に出されることになった。その後一人でいきてきた。一平と一緒になっても、こんどは一平が灯子と関係をもつ。千代の家族は、長続きしなかった。

その千代にとって、栗子や春子との生活が、ようやく手にいれた家族としての暮らしということになるのだろう。

以上の二つのことを思ってみる。

さらに書いてみるならば、道頓堀の人びと(岡福とか劇団のメンバーとか)も、千代のことを応援してくれている。これも、千代にとっては、家族のようなものかもしれない。

ところで、その当時のラジオドラマの収録のシーンは、なかなか面白かった。録音ではない生放送である。また、この当時は、子どもの役は、子どもが演じている。(今なら、声優として、子どもの声を子どもが演じるということはない。このあたりのこと、たしか黒柳徹子が何かのエッセイに書いていたように記憶する。)

さて、次回でいよいよ最終週になる。このドラマは傑作であると思う。どんなラストになるのか、楽しみに見ることにしよう。

2021年5月8日記

追記 2021-05-16
この続きは、
やまもも書斎記 2021年5月16日
『おちょやん』あれこれ「今日もええ天気や」
https://yamamomo.asablo.jp/blog/2021/05/16/9377992