オンライン授業あれこれ(その二四) ― 2021-05-17
2021-05-17 當山日出夫(とうやまひでお)
続きである。
やまもも書斎記 2021年5月10日
オンライン授業あれこれ(その二三)
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2021/05/10/9375974
オンライン授業といっても、オンデマンド方式。学生が、自由な時間に、自由に教材にアクセスして見るという方式である。このとき、選んだ方式としては、パワーポイントのスライドショーの送信ということにした。(大学のすべての授業がオンラインになったわけではないので、リアルタイムの双方向通信ではできない。)
パワーポイントのスライドショーには、音声解説をつけられる。それを、動画像(MP4)に変換して、YouTubeに限定公開の設定でアップロードする。これは、指定したURLから見ることが可能になる設定である。
学生には、通常の授業があったときのプリント(A4で二ページ)と、その解説(A4で二ページ)を、送信しておく。これは、Word文書と、PDFと、同一内容で送る。このときに、YouTubeのURLも記載しておく。
この方式ならば、最低限、スマホしか持っていないような学生でもどうにかなる。あるいは、自分のPCが無いとしても、たぶん大学のPC教室の利用などでどうにかなるだろうと思う。
このときのパワーポイントの使い方としては、あえて最もシンプルな方式をえらんだ。プリントに書いてあることから、一つの項目、あるいは、一つのパラグラフを、コピーした文字だけのスライドにした。特に、アニメーションなどはつけない。ある程度のまとまりがあって、文字の大きさが、読みやすければそれでよいとした。
スライドショーでは、原則的に、各スライドに書いてあることだけを、読んで解説することにした。この路線をはずれないように意図的にしている。
通常の授業があった場合であれば、プリントを読んで解説しながら、横道にそれて話しをしたりということが多々あるのだが、それは一切しないことにした。単に、スライドを読み上げて説明するだけである。
こうした理由は二つある。
第一には、もし、YouTubeを見られない、配布のプリントを読むだけ、という学生がいたとしても、不利にならないようにするためである。YouTubeを見るのと、プリントを読むのと、同じだけの情報がつたわるようにした。
第二には、教材のスライドショーをつくるときの負担の軽減である。ただ、PCの画面に向かって話しを一時間つづけるというのは、相手の顔が見えない、反応がわからないということで、困ることになる。これを避けるためには、基本路線として、各スライドに書いてあることのみを説明するということに決めておくと、気分的に楽になる。
以上の二つの理由で、あえて最もシンプルなスライドショーとして、作ることにした。
これも凝ろうとおもえば、いくらでも凝ったものを作ることができる。しかし、そのために労力を費やす気にはもうなれないでいる。アニメーションなど多用して凝ったスライドを作れば、つくれるだろう。あるいは、文字の配色なども、変えることもできよう。だが、そんなことは一切しないことにした。
ただ、配布したプリント(Word文書、PDF)と同じことを語るのみとした。
また、パワーポイントを使うことにした理由としては、編集が簡単だということもある。スライドショーの各スライド単位で、音声データが記録される。編集しようと思えば、各スライド単位での操作ということになる。
これが、動画像をカメラでとって、後から編集ソフトで編集してということになると、作業量が膨大なものになる。(そこまで、こちらのエネルギーをついやす義理は無いというのが、正直なところでもある。時間があるなら、本を読むことに使いたい。)
また、これは、昨年度の経験でも分かっていることだが、無理に動画配信などしても、それで学生の教育効果にすぐつながるものではないということがある。逆に、シンプルに文字、文章を基本として、プリントの送信ということだけでも、十分な学習につながることも確認できた。(学生のインターネット接続環境によっては、動画配信はしてほしくないという声もある。)
課題は、四回のレポートである。これも、ただプリントを丸写しにしただけのものは認めない。配布したプリントを自分で読んで、自分のことば、文章でまとめるものとしてある。そのためには、配布のプリントをとにかく読むことになるはずである。おそらく、これが、一番の勉強になる。それを文章に書くということが、勉強である。
与えられた課題について、文章を読んで書く、これが勉強の基本となることだろう。この基本に忠実であろうとすると、あえてシンプルな方式の方が望ましいともいえる。
教える側の問題としては、どのような教材プリントで、どのようなことを伝えるのか、ということと、何を課題(レポート)とするか、このバランスがうまくとれればいいのである。
2021年5月16日記
続きである。
やまもも書斎記 2021年5月10日
オンライン授業あれこれ(その二三)
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2021/05/10/9375974
オンライン授業といっても、オンデマンド方式。学生が、自由な時間に、自由に教材にアクセスして見るという方式である。このとき、選んだ方式としては、パワーポイントのスライドショーの送信ということにした。(大学のすべての授業がオンラインになったわけではないので、リアルタイムの双方向通信ではできない。)
パワーポイントのスライドショーには、音声解説をつけられる。それを、動画像(MP4)に変換して、YouTubeに限定公開の設定でアップロードする。これは、指定したURLから見ることが可能になる設定である。
学生には、通常の授業があったときのプリント(A4で二ページ)と、その解説(A4で二ページ)を、送信しておく。これは、Word文書と、PDFと、同一内容で送る。このときに、YouTubeのURLも記載しておく。
この方式ならば、最低限、スマホしか持っていないような学生でもどうにかなる。あるいは、自分のPCが無いとしても、たぶん大学のPC教室の利用などでどうにかなるだろうと思う。
このときのパワーポイントの使い方としては、あえて最もシンプルな方式をえらんだ。プリントに書いてあることから、一つの項目、あるいは、一つのパラグラフを、コピーした文字だけのスライドにした。特に、アニメーションなどはつけない。ある程度のまとまりがあって、文字の大きさが、読みやすければそれでよいとした。
スライドショーでは、原則的に、各スライドに書いてあることだけを、読んで解説することにした。この路線をはずれないように意図的にしている。
通常の授業があった場合であれば、プリントを読んで解説しながら、横道にそれて話しをしたりということが多々あるのだが、それは一切しないことにした。単に、スライドを読み上げて説明するだけである。
こうした理由は二つある。
第一には、もし、YouTubeを見られない、配布のプリントを読むだけ、という学生がいたとしても、不利にならないようにするためである。YouTubeを見るのと、プリントを読むのと、同じだけの情報がつたわるようにした。
第二には、教材のスライドショーをつくるときの負担の軽減である。ただ、PCの画面に向かって話しを一時間つづけるというのは、相手の顔が見えない、反応がわからないということで、困ることになる。これを避けるためには、基本路線として、各スライドに書いてあることのみを説明するということに決めておくと、気分的に楽になる。
以上の二つの理由で、あえて最もシンプルなスライドショーとして、作ることにした。
これも凝ろうとおもえば、いくらでも凝ったものを作ることができる。しかし、そのために労力を費やす気にはもうなれないでいる。アニメーションなど多用して凝ったスライドを作れば、つくれるだろう。あるいは、文字の配色なども、変えることもできよう。だが、そんなことは一切しないことにした。
ただ、配布したプリント(Word文書、PDF)と同じことを語るのみとした。
また、パワーポイントを使うことにした理由としては、編集が簡単だということもある。スライドショーの各スライド単位で、音声データが記録される。編集しようと思えば、各スライド単位での操作ということになる。
これが、動画像をカメラでとって、後から編集ソフトで編集してということになると、作業量が膨大なものになる。(そこまで、こちらのエネルギーをついやす義理は無いというのが、正直なところでもある。時間があるなら、本を読むことに使いたい。)
また、これは、昨年度の経験でも分かっていることだが、無理に動画配信などしても、それで学生の教育効果にすぐつながるものではないということがある。逆に、シンプルに文字、文章を基本として、プリントの送信ということだけでも、十分な学習につながることも確認できた。(学生のインターネット接続環境によっては、動画配信はしてほしくないという声もある。)
課題は、四回のレポートである。これも、ただプリントを丸写しにしただけのものは認めない。配布したプリントを自分で読んで、自分のことば、文章でまとめるものとしてある。そのためには、配布のプリントをとにかく読むことになるはずである。おそらく、これが、一番の勉強になる。それを文章に書くということが、勉強である。
与えられた課題について、文章を読んで書く、これが勉強の基本となることだろう。この基本に忠実であろうとすると、あえてシンプルな方式の方が望ましいともいえる。
教える側の問題としては、どのような教材プリントで、どのようなことを伝えるのか、ということと、何を課題(レポート)とするか、このバランスがうまくとれればいいのである。
2021年5月16日記
追記 2021-05-24
この続きは、
やまもも書斎記 2021年5月24日
オンライン授業あれこれ(その二五)
https://yamamomo.asablo.jp/blog/2021/05/24/9380647
この続きは、
やまもも書斎記 2021年5月24日
オンライン授業あれこれ(その二五)
https://yamamomo.asablo.jp/blog/2021/05/24/9380647
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