プロジェクトX「家電元年・最強営業マン立つ」2021-05-29

2021-05-29 當山日出夫(とうやまひでお)

NHK プロジェクトX 「家電元年・最強営業マン立つ~勝負は洗濯機~」

前回は、
やまもも書斎記 2021年5月22日
プロジェクトX「厳冬 黒四ダムに挑む」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2021/05/22/9380030

NHKが「プロジェクトX」を放送していたのは、二〇〇〇年のころ。年号でいえば、平成になってしばらくしてからの時代。バブル景気の終わったころということになる。そのような時代にあって、かつての昭和の戦後の時代を回顧する……そのような意図はなかったかもしれないが、しかし、結果的に、この番組は、昭和戦後の日本の歴史、それも多くの人びとの生活誌を発掘することにつながっていったかと思える。

この回は、洗濯機の話し。その開発と、その販売にたずさわった営業担当を軸としたストーリーであった。

だが、私にとって興味深かったのは、昭和戦後のある時代まで、おそらく家事の多くの部分が江戸時代のままつづいていたものがある。洗濯もその一つである。そして、ご飯を炊くことも。(かつて、私が見た「プロジェクトX」の中では、炊飯器の開発の話しが印象に残るものとしてある。)

洗濯機が登場するまで、洗濯という仕事は、近代になっても変わることがなかった。それを大きく変えたのが、洗濯機ということになる。

私は、昭和三〇年(一九五五)の生まれであるので、まだ、洗濯機もない、炊飯器もない、テレビもない、冷蔵庫もない、電話もない……という時代のことが、記憶に残っている。このような時代が、日本においては、つい近年まであったのである。

洗濯機を開発販売したのが、三洋電機。だが、この会社は、今では、パナソニックに吸収されてしまった。(以前、冷蔵庫とか、三洋の製品を選んで買ったこともあったのだが。)まさに、家電の時代におけるメーカーの栄枯盛衰を感じさせる番組になっていたと思う。

2021年5月28日記

追記 2021年6月5日
この続きは、
やまもも書斎記 2021年6月5日
プロジェクトX「窓際族が世界規格を作った」
https://yamamomo.asablo.jp/blog/2021/06/05/9384709