『おかえりモネ』あれこれ「故郷の海へ」2021-06-06

2021-06-06 當山日出夫(とうやまひでお)

『おかえりモネ』第3週「故郷の海へ」
https://www.nhk.or.jp/okaerimone/story/week_03.html

前回は、
やまもも書斎記 2021年5月30日
『おかえりモネ』あれこれ「いのちを守る仕事です」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2021/05/30/9382638

二〇一一年の三月一一日の午後、いったいどこで何をしていたか……多くの人びとが、記憶にもっているだろう。

たまたま家にいる日だったので、二階でテレビを見ていた。地震のニュースがあって、その後、津波の情報があって、その後は、ほとんどテレビを見ていた。この日、津波が襲ってくる場面を、リアルタイムのテレビ中継の映像として見ていたことになる。

その後、数日は、テレビを見るか、PCの前にいるか……そのころには、Twitterがあった……ということだったと覚えている。

『おかえりモネ』は、震災をどう描くか、ここは、基本的に気仙沼の亀島という島に限定することで、そのときの出来事を表現していたように思う。これはこれで、一つの立場なのだと考える。

百音は、仙台にいてジャズのライブを聴いていた。亀島にもどったのは、しばらくしてからのことになる。そして、避難生活があったようだが……しかし、ドラマの現在の時点……二〇一四年……においては、無事にもとの生活にもどったように見える。少なくとも、これまでのところでは、震災の犠牲ということは、ドラマには登場していない。

だが、震災のことは、百音のこころに何かを残したようだ。音楽のことは諦めている。森林組合につとめるようになったのは、どのような事情があってのことなのだろうか。このあたりは、まだ描かれていない。

そして、百音の周囲の人びと。それぞれに、なにがしか震災のことをかかえながら、それでも、懸命に生きているようである。何事もなかったかのように、大学生の生活を送っている友達たちだが、しかし、その心の奧には、なにかわだかまるものがあるようだ。

次週、まだ故郷の亀島での物語はつづくようだ。楽しみに見ることにしよう。

2021年6月5日記

追記 2021年6月13日
この続きは、
やまもも書斎記 2021年6月13日
『おかえりモネ』あれこれ「みーちゃんとカキ」
https://yamamomo.asablo.jp/blog/2021/06/13/9387386