『おかえりモネ』あれこれ「それでも海は」2021-07-11

2021-07-11 當山日出夫(とうやまひでお)

『おかえりモネ』第8週「それでも海は」
https://www.nhk.or.jp/okaerimone/story/week_08.html

前回は、
やまもも書斎記 2021年7月4日
『おかえりモネ』あれこれ「サヤカさんの木」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2021/07/04/9394437

この週は、亀島が舞台だった。震災、津波災害からの人びとの有様が描かれていた。思うこととしては、次の二点ぐらいだろうか。

第一には、大人たち。

百音の家族(両親たち)、それから、りょーちんの父の新次のこと。この週で、二〇一一年の震災の前後に、この人びとの間で何があったのか、ようやく分かってきた。新次は、船を作ろうとした。そして、その船も、また、妻の美波も失ってしまうことになる。まさに震災で何かもなくしてしまったといっていいのだろう。

その新次に対して、なんとか力になりたいと思う、永浦の人びと。特に、母親と父親。これも、それぞれに、立場があって、新次との距離のとりかたが微妙に違う。が、それぞれの立場で、新次のことを思っている。

だが、何もかもなくしてしまった新次は、そう簡単にはたちなろうとはしない。が、しかし、子どものりょーちんに対しては、未來を託しているようなところがある。

第二には、子どもたち。

百音や未知、りょーちん、クラスメートたち。まだ若い彼らは、未來を考えている。何かをなそうとしている。大人たちとは違う未來を考えているようだ。

気象予報士を目指している百音も、いつとはなしに、そんな仲間たちにまじって、自分の未來を考えているかと思われる。勉強に覚悟をきめて、菅波にいわれたように縄跳びにはげむ姿が印象的であった。

以上、二点、二つの世代にわけてみたが、ドラマでは、それぞれに震災をどううけとめているのか、そこから、さらにどう未來を構想していくのか、丁寧に描いてあったと思う。ただ、震災の被災者ということでひとくくりにせずに、各自のおかれた環境、立場で、どのようにこれからのことを考えているのか、おのおのの生き方があることになる。

特に印象的だったのが、りょーちんの母の美波が、カラオケで歌うシーン。このドラマでの登場は、ほとんどこれだけだったが、「かもめはかもめ」の歌が、こころに残る。留守番電話の声とカラオケだけでも、このドラマのなかで存在感がある。

それから、亀島の百音のところに電話してきた菅波。百音に縄跳びをすすめてはみたけれど、やはり気になって、関連の論文を探して読んでみたらしい。菅波もまた、百音の生き方に寄り添う人間の一人である。

次週、試験の結果が明らかになるようだ。楽しみに見ることにしよう。

2021年7月10日記

追記 2021年7月18日
この続きは、
やまもも書斎記 2021年7月18日
『おかえりモネ』あれこれ「雨のち旅立ち」
https://yamamomo.asablo.jp/blog/2021/07/18/9399169

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。

名前:
メールアドレス:
URL:
次の質問に答えてください:
このブログの名称の平仮名4文字を記入してください。

コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://yamamomo.asablo.jp/blog/2021/07/11/9396852/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。