プロジェクトX「薬師寺 幻の金堂・ゼロからの挑戦」2021-09-17

2021-09-17 當山日出夫(とうやまひでお)

プロジェクトX 薬師寺 幻の金堂・ゼロからの挑戦

前回は、
やまもも書斎記 2021年9月10日
プロジェクトX「ワープロ 運命の最終テスト」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2021/09/10/9421840

この回は、薬師寺の話し、というより、西岡常一の話しといった方がいいだろう。もう故人となってしまったが、日本を代表する宮大工といっていい存在である。

見ていて思ったことは、次の二点ぐらいである。

第一に、西岡常一のこと。

まさに、職人ということばがふさわしい。あつまった弟子に何も教えない。ただ、仕事をするだけである。

そういえば、昔は、このような職人が多かったのだろう。学問の世界でも、特に人文学系はそうだと思うが、いわゆる指導らしいことは何もしない先生が多くいた。それでも、弟子は育っていったものなのである。(だが、もうそんな、学問の時代も終わってしまった。)

第二に、薬師寺のこと。

これは、文化財という観点から考えてみるのだが、薬師寺金堂の再建ということは、文化史的にどういう意義があるのだろうか。これは、厳密な意味での復元ではない。(そもそも、もとがどのような状態であったのか、史料が存在しない。)

だが、無意味かというとそうではない。これには、さらに二つのことが考えられるであろう。

一つには、技術の継承ということ。宮大工の西岡常一の仕事を、受け継ぐことのできる弟子が、このプロジェクトのなかから生まれてきたことである。

二つには、宗教的意味。薬師寺という仏教寺院の宗教にかかわる側面としては、金堂の再建は、とにかく意味のあることである。

このようなことを総合的に考えてみるならば、文化財としての金堂再建も意味のある仕事ということになる。

以上の二点が、この番組を見ていて思ったことなどである。

さて、春から再放送してきたプロジェクトXであるが、これでひとまず終わりになるようだ。いろいろ毀誉褒貶のあった番組だとは思うが、今から二〇年ほど前の放送を再放送で見て、これは、昭和戦後の日本のある時代の姿を映し出している番組であると感じるところがある。いくつかの番組は、一般の人びとの生活誌に密着したものでもあった。再放送を見ながら、いろいろと考えるところのあった番組である。

2021年9月15日記



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