『青天を衝け』あれこれ「渋沢栄一の父」2021-10-12

2021-10-12 當山日出夫(とうやまひでお)

『青天を衝け』第30回「渋沢栄一の父」
https://www.nhk.or.jp/seiten/story/30/

前回は、
やまもも書斎記 2021年10月5日
『青天を衝け』あれこれ「栄一、改正する」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2021/10/05/9429557

この回で印象に残ることは、次の二点ぐらいであろうか。

第一に、廃藩置県。

歴史にはうといので、現代の歴史学において、明治維新がどのように研究されているのか知らない。とはいえ、廃藩置県ということが、大きな転機になっているのだろうということは、理解できる。それまで、地方の各藩がもっていた権力を剥奪し、中央集権的な国家に一新するということかと理解する。

ここで重要なのが、租税である。それまで、藩が年貢として徴収していた租税を、税金という新たな仕組みのもとに、明治新政府が集めることになる。このとき、いったい何があったのだろうか。

もし、もっと若くて、これから勉強してみようというころなら、明治期の経済史など、非常に興味を覚えたことかもしれないと思っている。

第二に、父の死。

故郷の血洗島で、父の市郎右衛門が死ぬことになる。このあたりのことは、おそらく史実に忠実に描いているのだろうと思う。

思い起こしてみれば、市郎右衛門の生き方……農民として藍の生産と養蚕にたずさわる……が、栄一の経済人としての生き方に、多大な影響を与えていたことになる。市郎右衛門から栄一に受け継がれていく、農民としての生き方、商業とのかかわり、これがこれからの明治の時代を生きる栄一にとって、大切なものになっていくのだろう。

以上の二点ぐらいが、印象に残っていることであろうか。

他に書いてみるならば、この回でも徳川家康が登場していた。タブレット端末をつかい、オンライン会議で廃藩置県を断行する……なるほど、今の時代ならでは演出である。

また、大阪の料亭にいた女性は、これからも登場することになるのだろうか。あるいは、ただ一夜のちょっとした関係のままで終わってしまうのだろうか。

次回以降、経済人としての栄一の活躍ということになるようだ。楽しみに見ることにしよう。

2021年10月11日記

追記 2021年10月19日
この続きは、
やまもも書斎記 2021年10月19日
『青天を衝け』あれこれ「栄一、最後の変身」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2021/10/19/9433213