『青天を衝け』あれこれ「栄一、銀行を作る」2021-10-26

2021-10-26 當山日出夫(とうやまひでお)

『青天を衝け』第32回「栄一、銀行を作る」
https://www.nhk.or.jp/seiten/story/32/

前回は、
やまもも書斎記 2021年10月19日
『青天を衝け』あれこれ「栄一、最後の変身」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2021/10/19/9433213

この回で印象に残っていることを二つほど書いてみる。

第一には、第一国立銀行。

栄一は大蔵省を辞めて、民間で事業をおこす。その最初が、第一国立銀行である。「国立」と名前がついているが、民間の銀行である。このあたりのことは、昔、学校で習ったように覚えている。

この銀行は今も続いているといっていいのだろう。みずほ銀行である。その前は、第一勧銀であった。(このようなことは、渋沢財団のHPで、渋沢栄一のかかわった企業の変遷を調べることができるので、分かるはずのことだと思う。)

確かに、今に続いている銀行ということなので、潰れることはなかったことになるのだが、しかし、明治の初め、できた当時の銀行業務は前途多難であったようだ。まず、簿記というものの導入から始めなければならない。

第二には、千代とくにのこと。

どうやら、くにという女性……その間には女の子までできている……は、栄一の家で、妻の千代と一緒に暮らすことになっているようだ。まあ、明治の昔だから、このようなことも可能であったというべきだろうか。

ともあれ、このあたり、正妻の千代の屈折した心情のうちを、橋本愛がうまく見せていたと感じる。

以上の二つぐらいが、印象に残っていることである。

この回で、栄一の母のゑいが亡くなった。これで、栄一は、父と母を見送ったことになる。

それから、岩崎弥太郎が登場してきていた。三菱である。五代友厚も出てきているし、明治という時代を舞台にした、経済人が顔をそろえてきたということになるであろうか。(さて、そうすると、明治の一事件である、山城屋はどう出てくるだろうか、ちょっと気になっている。)

次回以降、民間の経済人となった栄一の活躍を描くことになるようだ。楽しみに見ることにしよう。

2021年10月25日記

追記 2021年11月2日
この続きは、
やまもも書斎記 2021年11月2日
『青天を衝け』あれこれ「論語と算盤」
https://yamamomo.asablo.jp/blog/2021/11/02/9436902