映像の世紀プレミアム(12)「昭和 激動の宰相たち」2021-10-29

2021-10-29 當山日出夫(とうやまひでお)

映像の世紀プレミアム (12) 昭和 激動の宰相たち

これは確か見たと覚えているのだが、いつものように録画しておいて後日に見た。激動の昭和史である。

昭和の宰相たちということだが、主に取り上げられていたのは、近衛文麿、東條英機、吉田茂、岸信介。それぞれ、日中戦争、太平洋戦争、サンフランシスコ講和条約、六〇年安保、といった歴史的なことがらを代表することになる。

今回見ていた思ったことなど、思いつくままに書いてみる。

近衛文麿の評価は難しいかもしれないが、しかし、軍部を押さえることができなく日中戦争の泥沼に足を踏み入れることになったこと、また、ナチスのドイツと同盟を結ぶことになったことなどは、今日の歴史観からするならば、否定的にとらえることになるだろう。とはいえ、この当時の時代的な流れを考えるならば、近衛文麿以外の誰が首相になっていたところで、歴史の大きな流れを変えることはできなかった、そう思えるところもある。

日中戦争については、ただ一方的に日本の中国への侵略とみることもできようが、その一方で、なぜ日本が、中国の権益を求めることになったのか、それに対して、欧米諸国はどう対応することになったのか、このあたりが、もう少し掘り下げて描いてあると、この当時の国際社会のなかでの日本のありさまが、よりよくわかったのではないかと思う。

東條英機については、これまで散々いろんな映像で目にしてきている。その歴史的評価が、これから高まることはないだろう。ただ、実務的には能吏であるはいえるだろう。たまたま、この時代に生きたが故に、その歴史の責任を負うことになったのは、不運なことであったのかもしれない。

吉田茂は、昭和三〇年生まれの私としては、首相であったときの記憶はないのだが、亡くなったとき、それが国葬であったのは、覚えている。番組でも、この吉田茂については、高く評価していたといっていいのだろう。現実的に日本が取り得る路線としての、経済重視と、独立ということは、その後の日本のあり方の方向を定めたといっていいだろう。

岸信介については、六〇年安保のときは記憶にない。ただ、歴史の知識として知っている。そして、結果論ということにはなるが、六〇年安保はその後の日本の歩みにどのような意味があったのか、これは、まだ結論が出ていないかもしれない。確かに、その政治の手法は強引なところがあったし、また、それに対する反対の運動としての六〇年安保も考えなければならない。だが、この一連の事件を、歴史のなかにきちんと位置づけることは、まだ難しいというのが、私の感じるところでもある。

ただ、個人的に思うこととしては、日本の戦後史を見わたして、朝鮮戦争にもまたベトナム戦争にも、日本が直接的に関与することなく過ぎたことは、僥倖とすべきだと思う。(その後方支援基地としてかかわることになったということはあるのだが。)

番組は、岸信介で終わっていたが、もし続きを考えるとしたら、佐藤栄作、田中角栄あたりが登場することになるのかと思う。昭和史から平成への歴史の流れということについても、これから考えてみたいことの一つである。少なくとも、昭和の時代のいくぶんかは、私が生きてきた時代でもあるのだから。

それにしても、チャップリンの来日が、五一五事件、二二六事件のときであったというのは、偶然にしても興味深い。次回は、戦争のことになるようだ。楽しみに見ることにしよう(これも以前に見てはいると思うのだが。)

2021年10月28日記