『青天を衝け』あれこれ「栄一と伝説の商人」2021-11-09

2021-11-09 當山日出夫(とうやまひでお)

『青天を衝け』第34回「栄一と伝説の商人」
https://www.nhk.or.jp/seiten/story/34/

前回は、
やまもも書斎記 2021年11月2日
『青天を衝け』あれこれ「論語と算盤」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2021/11/02/9436902

この回で描いていたのは、三菱との確執。

歴史の結果としては、渋沢栄一のかかわった企業も、また三菱も、生き残ることにはなる。しかし、その企業理念は、大いにことなっている。

あくまでも合本主義として、「民」のちからを結集したい渋沢栄一。それに対して、強い経営者が強くなればいいのだとする、岩崎弥太郎。この両者の主張は、交わることなく、明治において対立することになる。(ただ、岩崎弥太郎自身は、早くに亡くなることにはなるのだが。)

この経営理念の対立は、あるいは、二一世紀の今日までつづく発想の違いとして残っているようにも思える。新自由主義経済の時代になって、渋沢栄一の語ったことばは、改めて意味のあることとして、思い出されることになるのかもしれない。

ところで、この回の終わりの方で、兼子が登場してきていた。となると、千代は、もうそろそろ消えることになるのだろうか。くにも出てきているし、これで渋沢栄一をめぐる、(主な)女性は登場したことになる。(ただ、その他の女性は描くことはないのかもしれないが。)

次週、アメリカからの賓客をもてなすことになるようだ。近代にあって、民間外交に尽力することになる渋沢栄一を、どのように描くことになるのか、楽しみに見ることにしよう。

2021年11月8日記

追記 2021年11月16日
この続きは、
やまもも書斎記 2021年11月16日
『青天を衝け』あれこれ「栄一、もてなす」
https://yamamomo.asablo.jp/blog/2021/11/16/9440632