『青天を衝け』あれこれ「栄一、あがく」2021-11-30

2021-11-30 當山日出夫(とうやまひでお)

『青天を衝け』第37回「栄一、あがく」
https://www.nhk.or.jp/seiten/story/37/

前回は、
やまもも書斎記 2021年11月23日
『青天を衝け』あれこれ「栄一と千代」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2021/11/23/9442479

このドラマでは、三菱は悪役である。まあ、これはドラマの作り方としてそうなっているということなのであろうが。

その悪役の三菱と、栄一は運漕会社で競争することになる。端的には、値下げ合戦であり、シェアのうばいあいである。双方疲弊してきたところで、五代友厚が仲裁にはいる。結果的には、もうこれ以上競争をつづけていても、双方のためにならない、また日本のためにはならないということで、三菱と栄一は仲直りということになる。まあ、このあたりは、史実に基づいて描いて、それを渋沢栄一の側から見ればどうなのか、ということになるのかと思う。

しかし、結果的には新しくできた会社が、海運業を独占することになると思うのだが、このあたり問題はなかったのだろうか。(これも、明治という時代、成長途上にある日本の国、資本主義ということでは、許容されることなのかもしれない。)

また、この回で栄一は再婚する。これも史実のとおりに作ってある。栄一は、渋沢の「家」というものをかなり意識した人物だと思うのだが、その一族の一員として、新しい妻の兼子は、しっかりと役割を果たしている。

養育院も栄一の努力でつづけることになった。これは、渋沢栄一の社会福祉事業へのかかわりということで、今後も続くことになる。

このドラマも、次週はもう一二月である。放送はあと何回もない。どこまで描くことになるのだろうか。史実としては、昭和六年に渋沢栄一は亡くなっている。このところまで描くとなると、これからはかなりスピードを上げることになりそうだ。

渋沢栄一が、後年尽力することになる、日米の民間外交というあたりは、どのようになるのか。そして、渋沢の「家」の二代目はどう成長するのか。(これは結果としては、敬三に受け継がれることになるのだが。)

ところで、この回で面白かったのは、神田伯山の登場。明治という時代、講談師という職業がちまたに存在していた時代といっていいのであろう。栄一と三菱との確執を講談師が語るというのも、ドラマの趣向としては非常に面白い。

次回、明治になってからの徳川家を描くことになるようだ。また、篤二のこともでてくる。楽しみに見ることにしよう。

2021年11月29日記

追記 2021-12-07
この続きは、
やまもも書斎記 2021年12月7日
『青天を衝け』あれこれ「栄一の嫡男」
https://yamamomo.asablo.jp/blog/2021/12/07/9446073

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。

名前:
メールアドレス:
URL:
次の質問に答えてください:
このブログの名称の平仮名4文字を記入してください。

コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://yamamomo.asablo.jp/blog/2021/11/30/9444241/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。