『100万回死んだねこ』福井県立図書館2021-12-02

2021-12-02 當山日出夫(とうやまひでお)

100万回死んだねこ

福井県立図書館.『100万回死んだねこ-覚え間違いタイトル集-』.講談社.2021
https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000356010

福井県立図書館のHPで公開されているものを編集してある。覚え間違いタイトルは、福井県立図書館が、かなり以前から、収集して公開している。SNSなどで、その存在は知られていたものであるが、これがついに本になったかという気がする。

売れている本のようだ。図書館関係の本としては、異例のベストセラーといっていいかもしれない。

読んで思うこととしては、次の二点ばかりを書いておく。

第一には、読んで面白いこと。

「100万回死んだねこ」は、無論、「100万回生きたねこ」の覚え間違いである。(この絵本は、うちの子どもが小さいころに買ってきて読んだのを覚えている。絵本としては、有名なものである。)

この他、いろんな本のいろんな覚え間違いが紹介されている。どうしたらこんなふうに思い間違えることができるのか、読んでいてふと笑ってしまうような事例が多い。

第二には、図書館、司書の存在意義について。

利用者から本を探しているという依頼があった場合、なぜ司書は、そんなに丹念に探索することになるのか。まさに、司書という職業の存在意義が、ここで問われることになる。また、図書館とは何のためにあるのか。図書館の存在が、根底から問いかけられもする。

このことに、この本はある意味できちんと答えている。

以上の二点が、この本を読んで思うことなどである。

それから、さらに書いてみるならば……本を探すとき、あるいは、何かを検索するとき、漢字ではなく、ひらがなの読みで検索するとうまくいくことがある、これは、非常に重要なヒントである。図書館の蔵書検索だけではなく、一般のネット検索にも応用できる。

2021年11月29日記