『自由と成長の経済学』柿埜真吾2022-01-10

2022年1月10日 當山日出夫(とうやまひでお)

自由と成長の経済学

柿埜真吾.『自由と成長の経済学-「人新世」と「脱成長コミュニズム」の罠-』(PHP新書).PHP研究所.2021
https://www.php.co.jp/books/detail.php?isbn=978-4-569-85014-6

『人新世の「資本論」』への反論本である。昨年のうちにつづけて読んだものである。

やまもも書斎記 2021年12月20日
『人新世の「資本論」』斎藤幸平
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2021/12/20/9449350

やはり出るべくして出た反論本であるというべきか。読んで思うこととしては、次の二点ぐらいである。

第一に、『人新世の「資本論」』批判としては、至極まっとうな本であること。

世評としては、『人新世の「資本論」』は確かに高い。だが、この本の主張するところ、特に近未来への提言としては、荒唐無稽としかいいようがない。この批判としては、十分に首肯できる反論になっている。

第二に、しかし将来に限界はあるだろうということ。

限りなく成長する資本主義によってしか、今日の世界の問題は解決しないのだろうか。だが、ここで考えなければならないのは、地球環境というパイはすでに限界が見えてきていることではないかとも思う。今後の課題は、この限られたパイの分割、再配分のあり方と方法をめぐるものになっていくと思う。

以上の二点のことを考える。

『人新世の「資本論」』をただ荒唐無稽として退けるのではなく、その問題提起……特に地球環境の将来……については、十分に考慮しつつ、世界全体でバランスのとれた成長戦略を考えるべきときなのだろうとは思う。それに日本がどのように貢献できるかが問われている。いや、これは楽観的にすぎるかもしれない。どうすればこれからの国際社会のなかで日本が生き残れるかが、問題であるといった方がいいだろうか。

2022年1月9日記

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