『鎌倉殿の13人』あれこれ「挙兵は慎重に」2022-01-25

2022年1月25日 當山日出夫(とうやまひでお)

『鎌倉殿の13人』第3回「挙兵は慎重に」
https://www.nhk.or.jp/kamakura13/story/03.html

前回は、
やまもも書斎記 2022年1月18日
『鎌倉殿の13人』あれこれ「佐殿の腹」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2022/01/18/9456974

このドラマは、歴史の時間のすすむのが速い。この回で、もう小さい子どもができていた。

見ていて印象に残った、というか気になったのは次の二点。

第一に、政子のこと。

確か以仁王の令旨をうけとるあたりにも、政子が同席していたかと思う。はて、これはどうなのだろう。その当時、女性として、奥向きのことに専念するということではない……少なくとも、このドラマにおける政子というのは、常に政治の正面に出てくる存在として描かれている。これも、まあ、裏側でこっそりと頼朝と会話するよりも、正面切って登場していた方が、すっきりした印象はある。

第二に、木簡のこと。

これは、おそらく歴史的な考証を経てつかったものだろう。荘園の管理のための木簡が登場していた。木簡というものが、古代だけのものではなく、中世においても使用されたものであることは、今では歴史の常識といっていいのかもしれない。

しかし、その当時の武士の土地の支配の様相、荘園の人びとがどんな暮らしをしていたのか、このあたりは描かれていない。あるいは、このドラマ、武士ということを描きはするものの、その領地とか、経済的な基盤とか、という方面のことは、あまり踏み込まないということなのかもしれない。

以上の二点ぐらいが、歴史考証にからんで、ちょっと印象に残ったところである。

それにしても、平家=悪、源氏=善、という図式は、きわめて分かりやすくはあるが、ちょっと短絡的ではないだろうか。平家、源氏をふくめて、平安末期の武士とはどんなものであったかを、描くということがあってもいいように思う。

次回は、頼朝の挙兵ということをめぐって展開するようだ。楽しみに見ることにしよう。

2022年1月24日記

追記 2022年2月1日
この続きは、
やまもも書斎記 2022年2月1日
『鎌倉殿の13人』あれこれ「矢のゆくえ」
https://yamamomo.asablo.jp/blog/2022/02/01/9460486