『鎌倉殿の13人』あれこれ「決戦前夜」2022-03-08

2022年3月8日 當山日出夫(とうやまひでお)

『鎌倉殿の13人』第9回「決戦前夜」
https://www.nhk.or.jp/kamakura13/story/09.html

前回は、
やまもも書斎記 2022年3月1日
『鎌倉殿の13人』あれこれ「いざ、鎌倉」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2022/03/01/9468363

いよいよ源平の戦いがはじまった。

この回を見て印象に残っているのは、次の二点ぐらいだろうか。

第一には、板東武者と忠誠心。

武士であるから、主君には忠誠心があるのがあたりまえ。これは、今日の感覚かもしれない。このドラマでは、源氏の方の武士たちは、かならずしも頼朝に忠誠心を持っているとは限らない。頼朝への忠義よりも、自分の所領のことの方が心配である。

結果としては、富士川の合戦において勝利はしたものの、それ以上の追撃は不可能であったということになる。これには、攻めようとしたものの兵站がかなわなかったということもあるが。

そして、頼朝は孤独である。では、北条義時はどうなのであろうか。頼朝に忠誠心を持っているのだろうか。このあたり、まだはっきりしない。北条が生きのびるためには、源氏の棟梁である頼朝が必要であるという気持ちはあるようだ。だが、これは、かならずしも頼朝に対する忠誠心につながるということでもないようである。

第二、義経との出会い。

富士川の合戦の後、頼朝は義経に会うことになる。ここで対比的なのが、板東の武士たち……かならずしも頼朝に忠義をつくすというのではない……これに対して、義経は身内である。

歴史の展開としては、この後、義経が源氏の軍勢を率いて平家追討ということになる。(義仲なども登場すると思うが。)

源氏の棟梁ではあるが、自分の家来というものを持っているのではない頼朝にとって、弟の義経は何よりありがたい存在であった。(まあ、結果としては、頼朝は義経と決裂することになるのだが、今はその段階ではない。)

以上の二点ぐらいが、印象に残ることなどである。

このドラマの撮影は、夜の合戦のシーンをよく描く。松明のあかりなど、映像として効果的に使えるということもあるのだろう。これも、撮影技術の進歩を反映した、あたらしいドラマの映像作りということで見ておいていいことなのだろうと思う。

次週以降、さらに源平の合戦はつづくことになる。楽しみに見ることにしよう。

2022年3月7日記

追記 2022年3月15日
この続きは、
やまもも書斎記 2022年3月15日
『鎌倉殿の13人』あれこれ「根拠なき自信」
https://yamamomo.asablo.jp/blog/2022/03/15/9472602