映像の世紀バタフライエフェクト「モハメド・アリ 勇気の連鎖」2022-04-07

2022年4月7日 當山日出夫(とうやまひでお)

「映像の世紀」シリーズの新番組である。これも見ることにしようかと思っている。これまでに放送したものを基本に、テーマごとに再編集したもののようである。

第一回は、モハメド・アリ。モハメド・アリは、これまでの「映像の世紀」でも何度か登場してきていたと思う。その生いたちから始まって、ボクサーとしての栄光、公民権運動、ベトナム反戦、と描いていた。それから、それにからめて、メキシコ・シティーでのオリンピック。さらには、オバマ米国大統領のことにまで及んでいた。

ただ、意図的にかもしれないが、近年のBLM運動のことについては、言及がなかった。そのかわりなのかもしれないが、昨年の東京オリンピックの時の映像が使われていた。(これは、当然ながら、これまでの「映像の世紀」では登場していなかったものになる。)

モハメド・アリをメインにして、アメリカの黒人の人権問題の歴史であるのだが、やはりなにかものたりない。それは、一つには、キング牧師を中心とした公民権運動の大きな盛り上がりについてほとんど触れることがなかったこと。それから、近年のBLM運動について、これは全く言及がなかったことによるかと思う。

「映像の世紀」シリーズは、これまでの放送を、再放送などでそのほとんどすべてを見てきているはずである。このシリーズは、歴史というものに非常に批判的な目を持っていたと思う。その歴史への批判の目が、この新たなシリーズでどう継承されていくだろうか。

ともあれ、アメリカの黒人のことをあつかいながらも、最終的には、人間の普遍的人権の問題へとおよぶものであった。これはこれとして、一つの考え方だろうと思う。

次回は、科学者のことになるらしい。次回も見ることにしよう。

2022年4月6日記