『鎌倉殿の13人』あれこれ「足固めの儀式」2022-04-19

2022年4月19日 當山日出夫(とうやまひでお)

『鎌倉殿の13人』第15回「足固めの儀式」
https://www.nhk.or.jp/kamakura13/story/15.html

前回は、
やまもも書斎記 2022年4月12日
『鎌倉殿の13人』あれこれ「都の義仲」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2022/04/12/9480918

この回で描いていたのは、権力というものだろう。

鎌倉殿に対して、御家人たちは謀反をたくらむ。しかし、それを頼朝はおさめてみせる。このあたりまでは、権謀術数のストーリーである。この回の面白さは、最後のところで、上総介を成敗するところにあるのだろう。

権力を権力たらしめるものは、いったい何だろうか。いろんな考え方があるにちがいない。忠誠心かもしれない、あるいは、恐怖かもしれない。または、主従の一体感であるのかもしれない。様々な思いがうずまく中心に、権力はある。頼朝は、鎌倉殿として権力者である。その頼朝に、結果として、御家人たちは、畏敬の念をいだくことになり、忠誠心をもち、同時に、自分の所領のために戦うことになる。

しかし、かわいそうなのは上総介である。何も悪いことはしていない。いや、頼朝に対して最も忠義のこころを持っていた一人ともいえよう。しかし、これも、鎌倉政権の権力の確立のためには、犠牲にならざるをえない。

そして、この回の脚本で巧みだと感じたのは、最後のところ。義時の子ども、後の北条泰時が生まれるところである。鎌倉幕府は、源氏は三代で終わる。頼朝が、鎌倉殿として掌握したはずの権力は、次には続かないことになる。これは、歴史の結果である。一方、北条氏の方は、義時から、その子の泰時を経て、鎌倉時代を通じて、執権として権力を持ち続けることになる。結果としては、権力を持ち続けることになるのは、北条氏の義時の方ということになる。

また、この回で描いていたのは、板東武者のエートスということでもあったかと思う。板東武者をしたがえる権力の頂点に立つことになる頼朝、さらには、実質的にその権力を継承することになるであろう義時、この権力ゆくすえはどうなるだろうか。このドラマは、これから先、源氏の断絶から、承久の乱までを描くことになるかと思う。時代の流れのなかで、義時は、どのような権力者になっていくのだろうか。続きを楽しみに見ることにしよう。

2022年4月18日記

追記 2022年4月26日
この続きは、
やまもも書斎記 2022年4月26日
『鎌倉殿の13人』あれこれ「伝説の幕開け」
https://yamamomo.asablo.jp/blog/2022/04/26/9484980

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