映像の世紀バタフライエフェクト「映像プロパガンダ戦 嘘と嘘の激突」2022-09-09

2022年9月9日 當山日出夫

映像の世紀バタフライエフェクト 映像プロパガンダ戦 嘘と嘘の激突

この回は、非常に興味深かった。

これまで「映像の世紀」シリーズでは、数多くの映像資料を使ってきている。そこには、資料批判という視点が不可欠となる。残っている映像資料を、そのまま編集するということではないだろう。

思うことは多くある。が、その中で印象的な部分としては、サイパンのことがある。米軍のサイパン島攻撃のとき、多くの民間人が犠牲になった。その自決のシーン、断崖から飛び降りる場面は、これまで多くの番組で目にしてきた。このシーンを、アメリカは、対日戦プロパガンダとして利用していた。このことは、非常に強く心に残る。使えるものはなんでも使う、まさにプロパガンダとは、こういうものなのか、という思いを強くした。

その一方で、ただ為政者のプロパガンダだけで、人びとは動くものではないだろうということもある。面白いのは、ナチスの党大会の時の映像。モンタージュによって作りあげられた作品ということになるが、残っている映像資料から、その当時において多くのドイツの人びとが必ずしもヒトラー礼讃でなかったことが理解される。はたして、人間は、どれほどプロパガンダによって動かされるものなのであろうか。

話しは、今年(二〇二二)のウクライナのことにおよぶ。日本にいて、テレビを見ている限りであっても、ウクライナ、ロシア、双方のメディア戦略を感じることが多い。(ただ、メディア戦略ということでは、ウクライナの方が優っているようにも見える。これは、日本にいてテレビなど見ているせいかもしれないが。)

メディアによって、メディア批判の目をどうやしなっていくか、これからの大きな課題であることは、実感できた。

2022年9月7日記

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