映像の世紀バタフライエフェクト「ルーズベルトVSリンドバーグ」2022-09-29

2022年9月29日 當山日出夫

映像の世紀バタフライエフェクト 「ルーズベルトVSリンドバーグ 大戦前夜 アメリカは参戦すべきか」

タイトルは、ルーズベルトとリンドバーグの対立ということになっており、番組も基本的にこの二人が登場していた。だが、根底にあるのは、アメリカは、ヨーロッパやその他の世界の紛争に、どう対処すべきかという議論をめぐるものであったといってよい。

往々にして、第二次世界大戦は、ナチスの悪、ヒトラーが悪い、ということで済んでしまいがちであるが、実際の歴史の流れは、そう単純ではない。アメリカにも、親ナチスの立場の人びとや企業が多くあったし、また、アメリカが戦争にかかわること自体を否定する、反戦平和主義の運動もある。

これは、言うまでもなく、今日のウクライナ情勢にまで及んでいる。現在の状況では、アメリカは、軍需物資や資金面ではウクライナを援助することはあっても、直接的な軍事介入はしない、という方針である。ただ、これも、将来的にはどうなるかわからない。また、特に、今後の不確定要因としては、台湾をめぐる問題がある。はたして台湾有事の際、直接的には関与しないという方針を取り得るのか、大きな課題が残っているとすべきであろう。

ともあれ、番組としては面白かった。ルーズベルトのプラベートフィルムは貴重である。また、リンドバーグの、政治的活動や、軍事的な活動については、興味深かった。

第二次世界大戦については、いろんな見方ができると思うが、ただ、ヒトラーと日本の軍国主義、ファシズムを悪にしてしまえばそれでよいということではないことを、考えておくべきであろう。

2022年9月27日記