ザ・バックヤード「東京大学総合博物館」2022-10-01

2022年10月1日 當山日出夫

NHKのEテレの番組である。これも録画しておいて後日にゆっくりと見た。たいてい、朝一番か、あるいは、朝ドラが終わってからの時間に見ることが多い。

この回は、東京大学総合博物館。実は、この博物館にはまだ行ったことがない。大学が設置している博物館としては、著名なものの一つであることは知っている。

見て思うことは、次の二点。

第一には、さすが東京大学であるということ。貴重な標本を多く持っている。しかも、歴史がある。東京大学の研究の歴史がそこにあると言ってもいいのだろう。明治はおろか、江戸時代の「虫」の標本など興味深い。

第二は、やはり予算のことだろう。貴重な標本が、整理はされているのだろうが、段ボール箱に入れて積まれているのは、圧巻ではあるが、なんとかならないかと思う。せめて、普通の段ボールではなく、中性紙の箱に移すぐらいのことはできないのだろうか。植物の標本だからといっても、それをつくるのに普通の新聞紙や段ボールでは、経年劣化のことがどうしても気になってしまう。

大学の研究予算が乏しいことは、今に始まったことではないとは思うが、貴重な標本の保存には、なんとか予算を確保してほしいと強く思う。

以上の二点ぐらいが、見ていて思ったことである。

さらに書いておくならば、紫陽花のことをオタキサンということは知っていたし、それが、シーボルトの日本の愛人の名前に由来することも知ってはいた。その名前を記した標本が、日本に戻ってきていることは興味深い。これなど、できれば公開してほしいものである。

2022年9月23日記

『ちむどんどん』あれこれ「やんばる!ちむどんどん!」2022-10-02

2022年10月2日 當山日出夫

『ちむどんどん』最終週「やんばる!ちむどんどん!」
https://www.nhk.or.jp/chimudondon/story/week_25.html

前回は、
やまもも書斎記 2022年9月25日
『ちむどんどん』あれこれ「ゆし豆腐のセレナーデ」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2022/09/25/9528476

半年の放送が終わった。

このドラマについては、いろいろ批判があった。それは、なるほどと思うところもあるのだが、しかし、それでもこのドラマを半年にわたって見てきた。思うところなど思うままに書いてみる。

沖縄を舞台にしたということは、どうだったのだろうか。このドラマは特に沖縄ということがなくても十分になりたつ。たしかに、ところどころで、沖縄での戦争のエピソードなど織り込まれてはいた。しかし、それが、ドラマの進行にとって不可欠の要素として組み込まれていたかとなると、ちょっと疑問が残る。

また、食文化のとりあつかいはどうだったろうか。沖縄の郷土料理、イタリア料理、いろいろと出てはきたのだが、ただ、その料理が出てきたというだけで終わってしまっていたように思われる。沖縄の料理と、ドラマのストーリーが深く密接にからみあってということにはなっていなかった。

それにしても、どうして暢子は、思いつきでことを進めるのだろうか。東京に行って料理人になりたいと思ったのも成り行きまかせであったし、フォンターナを辞めて沖縄料理の店を開きたいと思ったのも思いつきであった。その沖縄料理の店も急にやめて、沖縄に移住することになった。さらに、沖縄の比嘉の家で沖縄料理店をやりたいと言い出したのも、思いつきとしか思えない。まあ、たしかに、本人は、ちむどんどんして決めたことだったのかもしれないが、しかし、計画性の無さということが、どうしてもひっかかってしまうのである。

いろいろ批判的に見ることの多いドラマではあったが、半年の間見てきた。私は、このドラマが、おそらく製作者が意図したような傑作にはならなかったと思う。しかし、批判されるほどの駄作であるとも思わない。朝ドラとしては、合格点の作品であったのではないか。とにかく、なんがかんだと不満を感じながらも、最後まで見ることになったのだから、それなりのクオリティであったとは思う。

さて、次には、「舞いあがれ!」である。どのようなドラマになるか、楽しみに見ることにしよう。

2022年9月30日記

ブラタモリ「深海」2022-10-03

2022年10月3日 當山日出夫

ブラタモリ 深海

一〇月一日の放送。録画しておいて、翌日の朝にゆっくりと見た。これは、面白かった。すぐれた科学番組であると言ってもいいだろう。

私の子供のころ、子供向けの科学解説本で、深海ということは登場していたように思う。その後、ときおりニュースなどで、深海探査の報道を見るぐらいで、特に関心を持つということなく過ぎてきてしまった。

日本の深海探査技術というのが、すぐれたものであることがよくわかる。また、その意義も重要である。だが、何よりも知的好奇心に満ちている。わくわくする気持ちがある。これが一番大事なことなんだろうと思う。

「しんかい」「ちきゅう」のことは、ニュースなどで目にしたことはあるかと思うのだが、実際どんなことをしている船なのかは知らなかった。これからニュースで、これらの名前を目にしたら、注目して見たいと思う。

それにしても、しんかいにおいて、どうやって浮くのかということは、考えたこともなかった。いわれてみれば、どうやって沈んで、どうやって浮かんでくるのか、これこそ、探査船の一番重要なところだろう。

それから、最後の方で出てきた地究に陸地が出来た説明は、ちょっと難しかった。

2022年10月2日記

『鎌倉殿の13人』あれこれ「時を継ぐ者」2022-10-04

2022年10月4日 當山日出夫

『鎌倉殿の13人』第38回「時を継ぐ者」
https://www.nhk.or.jp/kamakura13/story/38.html

前回は、
やまもも書斎記 2022年9月27日
『鎌倉殿の13人』あれこれ「オンベレブンビンバ」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2022/09/27/9528907

この回でよかったの、りく(宮沢りえ)。りくはりくなりに、鎌倉殿(実朝)のことを思い、時政のことを思い、また、鎌倉の安寧を願っていたということなのだろう。しかし、それは、義時の立場と相容れるものではなかった。どうしても、対立抗争ということになってしまう。

都の女としての矜恃と、鎌倉を思う気持ちと、その葛藤を見事に演じていたと感じる。

それから、見どころと思ったのが、トウと三浦義村の対決シーン。トウは、フィクションの人物なのであるが、以前の善児の使い方といい、このドラマでは、刺客として、重要なところに登場している。

まあ、この場合は、三浦に止められたという形にはなった。しかし、重要なことは、トウにりくを殺すように命じたのが、義時であることだろう。執権として政治の頂点にたつことになる義時の、権力者としての冷酷な判断である。

最後に登場していたのが、後鳥羽上皇。これから起こることになる承久の乱の伏線として、後鳥羽上皇の義時への憎しみということになる。

さて、このドラマ、次週はちょっと休みになる。これか続くのが、実朝暗殺から承久の乱ということになるはずである。どのように描くことになるのか、今後の展開を楽しみに見ることにしよう。

2022年10月3日記

追記 2022年10月18日
この続きは、
やまもも書斎記 2022年10月18日
『鎌倉殿の13人』あれこれ「穏やかな一日」
https://yamamomo.asablo.jp/blog/2022/10/18/9534132

百日紅2022-10-05

2022年10月5日 當山日出夫

水曜日なので写真の日。今日は百日紅である。

前回は、
やまもも書斎記 2022年9月28日
桔梗
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2022/09/28/9529116

今年は、百日紅の花が咲いた。何故か、昨年は、あまり咲かなかったように憶えている。

我が家に何本かの百日紅の木がある。近所にも、いくつかあることを確認している。基本的に赤いものばかりである。ただ、我が家には、一本だけ白い百日紅の木がある。

その名のとおり、花の時期は長い。だが、その花の盛りという時期をねらって写真に撮ろうと思うと、ちょっと難しいかなという気がしている。それに、百日紅の写真というと、どれも同じようなものになってしまう。だが、これはこれでいいかなという気もする。毎年、花が咲いて、毎年同じように写真が撮れればそれでよいのである。

庭に出るとそろそろ杜鵑草の花が咲きはじめている。萩の花も咲いている。秋の花の季節になったことを感じる。

百日紅

百日紅

百日紅

百日紅

百日紅

百日紅

Nikon D500
TAMRPN SP 150-600mm F/5-6.3 Di VC USD G2

2022年10月3日記

追記 2022年10月12日
この続きは、
やまもも書斎記 2022年10月12日
百日紅
https://yamamomo.asablo.jp/blog/2022/10/12/9532653

映像の世紀バタフライエフェクト「ひとつの友情がアメリカを変えた」2022-10-06

2022年10月6日 當山日出夫

映像の世紀バタフライエフェクト 「ひとつの友情がアメリカを変えた」

アメリカの議員、デルムスとイノウエの話し。ただし、二人は、直接に面識があり協力や交流があったということではないようだ。

アメリカにおける人種差別の問題をあつかっていた。これは、これまでの「映像の世紀」のシリーズで、折にふれて取り上げられてきたテーマである。それを、たぶん、あまり一般には馴染みのないであろう、二人の議員の活動に焦点をあてて構成したものになっていた。

特に目新しい論点があるということではなかったが、興味深く見た。

第二次世界大戦のヨーロッパ戦線において、日系人部隊が活躍した話しは知っている。たぶん、私ぐらいの年代の人間なら、かなり知っているのではないだろうか。望月三起也の漫画「最前線」で、こどものころに読んだのを憶えている。

興味深かったのは、この回の終わり方。たぶん、近年のBLM運動で締めくくるのではなかろうかと思って見ていたのだが、そうではなかった。大谷翔平選手の映像で終わっていた。ナレーションは、何も語ってはいなかったが、人種の壁を越えて活躍できるということの象徴なのだろう。

2022年10月4日記

ザ・バックヤード「国立科学博物館 2」2022-10-07

2022年10月7日 當山日出夫

Eテレ ザ・バックヤード 国立科学博物館 2

上野の国立科学博物館には、若いころは何度か行ったことがあるのだが、このごろは行っていない。東京国立博物館に行くか、西洋美術館には、行くことがあるのだが。なんとなく、足がとおのいてしまっている。

この回は、とても面白かった。まさに、「バックヤード」の取材ならではの内容だった。

動物の標本、人骨、恐竜の化石、鼠の歯……どれも興味深いものだった。

印象的だったのは、標本を残す目的である。今の時代の標本を将来に残すことによって、将来の研究者がさらなる研究を達成することができるために……とてもいい考え方だと思う。今すぐに、何かの役に立つ、という考えではない。将来のために、今、標本を残しておく。これこそ、研究者のあるべき一つの姿だと強く感じるところがあった。

ここしばらく、COVID-19のこともあって、東京に行っていない。今度、東京に行くことがあったら、科学博物館に行ってみたい。

2022年10月6日記

『ウクライナ戦争の200日』小泉悠/文春新書2022-10-08

2022年10月8日 當山日出夫

ウクライナ戦争の200日

小泉悠.『ウクライナ戦争の200日』(文春新書).文藝春秋.2022
https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784166613786

最近の小泉悠の対談を編集したものである。対談の相手は次のとおり。

東浩紀
砂川文次
高橋杉雄
片渕須直
ヤマザキマリ
マライ・メントライン
安田峰俊

いろいろと考えるところの多い本である。幸いなことにと言っていいのだろうが、日本にいて、今の段階では、そう大きくウクライナの戦争の影響があるということはない。ただ、物価上昇という日常生活にかかわることはあるが、まあなんとかしのげる程度である。

ウクライナの戦争をめぐっては、様々なひとば様々な意見を述べている。テレビをつけても、新聞を見ても、多様な言説がとびかっている。そのなかで、この人の言うことは信頼していいだろうと思える一人が、小泉悠であることは確かである。少なくとも、私はそう思っている。

それは、一つには、軍事の専門家としての専門知識であり、そして、それゆえの謙虚さに由来する。ただ、ウクライナのことは、軍事や国際政治、あるいは、経済の問題など、いろんな論点がからんでくるので、確かにややこしい。そのなかで、この分野について、この視点からは、このように言えるというラインを明確に意識している論者であると思っている。(まあ、テレビをつければ、専門的知識のないコメンテーターの放言が、ひどいレベルであると言ってしまえばそれまでであるが。)

読んで興味深い、教えられるところ、考えるところが多くある本であるが、私が読んで興味深かったのは、片渕素直との対談。『この世界の片隅に』について、語っている。この対談を読んで思ったことは、あの映画、あるいは、原作の漫画は、戦争の時代の日常を描いた作品であると同時、戦争映画、戦争漫画なのだな、ということである。戦争と日常とが、同じディテールの細かさで連続して描かれている。なるほど、あの作品の魅力は、このようなところにあったのか、と再確認したようなところがある。

時事的な話題の本であるが、二〇二二年の秋のころまでに、どんな状況でどんなことを考えていたのか、確認する意味で、読んでおいて、そして、側においておいて損のない本だと思う。

2022年9月29日記

『舞いあがれ!』あれこれ「お母ちゃんとわたし」2022-10-09

2022年10月9日 當山日出夫

『舞いあがれ!』第1週「お母ちゃんとわたし」
https://www.nhk.or.jp/maiagare/movie/week01/

いつものように新しい朝ドラを見ている。こんどは、大阪BKの制作である。空を飛ぶ女性の物語、ということらしい。

第一週を見た限りでは、非常にゆっくりと話しが進んでいく。東大阪に住まいしていた少女が、体が弱いので転地療養ということで、母の実家の五島に行くことになる。

東大阪での家族の生活、町工場の様子、学校の友達、五島に行ってからの新しい人びと、学校の友達、そして、何よりも祖母との出会い。このあたりの人間関係が、非常に細やかな視点で描かれていると感じる。

何よりも、五島の島の風景がきれいである。その空に凧が舞う。

ところで、考証ミスと思われるところが一つあった。舞の五島での小学校の同級生の妹、名前を「凛」ということである。この漢字は、現在では人名用漢字ということで、名付けに多く使われるが、人名用漢字になったのは新しい。「凛」が人名用漢字になったのは、2004(平成16年)のことである。その別字である「凜」は、もうちょっとはやくて、1990(平成2年)である。

たしか、ドラマの現在は、1994年のはずである。(震災の前の年からスタートである。)1994年に小学校に通っている子供の名前に、「凛」は無理である。

ささいなことではあるが、漢字のことを考えることの多い人間としては、このようなところにどうしても目がいってしまう。

さて、このドラマ、次週も五島での小学校生活を描くようだ。どのような展開になるか、楽しみに見ることにしよう。

2022年10月8日記

ブラタモリ「東京スカイツリー」2022-10-10

2022年10月10日 當山日出夫

ブラタモリ 東京スカイツリー

スカイツリーは、遠くから眺めたことはあるのだが、近くに行ったことはないし、のぼったこともない。(ちなみに東京タワーものぼったことがない。)

スカイツリーの立地とか、構造のこととか、これはこれで面白かったのだが、私の興味のあったのは、隅田川の流れ。『伊勢物語』の第九段「東下り」である。なかに、武蔵国と下総国との間を流れている隅田川で、都鳥を見て、旅の一行が涙を流す有名なシーンがある。これを昔読んで、あるいは、学生に教えるようなとき、隅田川が、昔の武蔵国と下総国との境になっていたという認識はあったのだが、具体的にどの川の流れを指すのか、きちんと考えたことがなかった。それが、隅田川の流れが変更になって、今のスカイツリーの立っているところが、かつての武蔵国の領域であると考えると、なっとくがいく。はたして、平安時代の昔、隅田川はどのように流れていたのだろうか。

これから、東京に行くことが何回あるか分からないのだが、(今では、もう強いて行きたいと思わなくなった)、スカイツリーにも一度は行ってみたい気もしている。

2022年10月9日記