『鎌倉殿の13人』あれこれ「ある朝敵、ある演説」2022-12-13

2022年12月13日 當山日出夫

『鎌倉殿の13人』第47回「ある朝敵、ある演説」
https://www.nhk.or.jp/kamakura13/story/47.html

前回は、
やまもも書斎記 2022年12月6日
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2022/12/06/9546029

このドラマも最終になってきた。印象に残っていることとしては、次の二つぐらいがある。

第一に、義時。

悪人である。権力の座にいる。鎌倉を支配している。京の朝廷と対立することになる。思えば、このドラマは、義時の若いころから描いてきている。昔は、純情な若者であった。それが、今ではどうだろうか、神仏を恐れぬ権力者の地位にいる。

これも見方によっては、鎌倉の安寧を思ってのこととも理解できる。しかし、その権力の地位は、いくたの暴力と権謀術数によって築き上げられたものである。多くの御家人が、それに唯々諾々と従っているというわけではない。このことは、義時自身がよくわかっている。

朝廷、後鳥羽院に嫌われている。これは、日本という国を誰が支配するかという究極の権力闘争でもある。そして、ついに、後鳥羽院は、義時追討の院宣を下す。

第二に、政子。

鎌倉時代のこのあたりのことを描くとなると出てくるのが、政子の演説。このドラマでは、そのスピーチライターとして大江広元がいたらしい。だが、政子は、その原稿には従わない。御家人たちに呼びかける。鎌倉として一致団結して後鳥羽院に対決することになる。

これに、賛同したのは、意外にも泰時だった。泰時の言葉もあって、御家人たちは結束する。

以上、義時と政子の二人がこの回では印象に残った。

それから、微妙な位置にいたのが、三浦義村。ことのなりゆきによっては、承久の乱は三浦陰謀論となりかねない運びであったが、そこは三浦である。時運の流れが鎌倉にあると見極めることになる。このドラマの面白さは、この一筋縄ではいかない三浦の存在があってのことかと思うところがある。

さて、いよいよ次週は最終回。承久の乱である。どのような結末になるのか楽しみに見ることにしよう。

2022年12月12日記

追記 2022年12月20日
この続きは、
やまもも書斎記 2022年12月20日
『鎌倉殿13人』あれこれ「報いの時」
https://yamamomo.asablo.jp/blog/2022/12/20/9549178