『現代文解釈の方法 新訂版』遠藤嘉基・渡辺実/ちくま学芸文庫2022-12-24

2022年12月24日 當山日出夫

現代文解釈の方法

遠藤嘉基・渡辺実.『着眼と考え方 現代文解釈の方法 新訂版』(ちくま学芸文庫).筑摩書房.2022
https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480511485/

この本の初版は、一九六〇年。新訂版は、一九七九年である。中央図書出版社。

去年、『現代文解釈の基礎』が文庫本(ちくま学芸文庫)で出て、今年、その続編が同じく文庫で刊行になったことになる。

読んで思うことはある、と書きたいところだが、そんなに細かく読んでいない。はっきり言って、もうこの本の組版を読むのがつらくなってきた。老眼である。解説はだいたい読み流して、問題文となっている文章を確認しながら読んだというところである。

このような読み方をしても、やはりこれは名著と言っていいだろう。

ただ、出典が古風である。三木清の文章など使ってあるが、もう今では三木清は読まれないかと思う。山崎正和とか、加藤周一ぐらいなら、今でも読まれるかと思う。丸山眞男は今でも多く読まれるだろう。総じて、問題に使ってある文章は、総合文明批評的な文章が多いかと感じる。これは、おそらく著者(渡辺実)の意向を反映してのものだろう。

その渡辺実が、『国語構文論』や『平安朝文章史』などを書いたのかと思って読むと、なるほどと考えるところがある。

この本を読んで、問題文にあつかわれた文章のいくつかを読みなおしてみたくなっている。

2022年12月23日記