『らんまん』あれこれ「ノジギク」 ― 2023-08-27
2023年8月27日 當山日出夫
『らんまん』第21週「ノジギク」
この週では、田邊の死から、万太郎の帝国大学助手就任までを描いていた。
たしかに、史実としては、帝国大学を辞めた矢田部は溺死している。また、牧野富太郎も助手になっている。これは、その後、講師になり、かなり長く続くことになる。ただ、その収入だけではとても生活できず、また、研究もままならなかったことは「自叙伝」などで書いてあるとおりである。それを支えたのは借金であったことになる。
田邊はドラマからは退場ということになったのだが、印象に残る登場人物であった。明治のはじめのころ、帝国大学の教授の立場にあった人間として、社会から期待されるものは大きかったのだろう。それを背負って、仕事をしたことになる。学問の制度の準備段階としては、このような働きの人物が必要とされると言ってよいだろう。
日本の植物学、帝国大学の植物学教室の基礎を築いた人物ということになる。また同時に、万太郎を見出して、植物学教室への出入りを許したことも、大きな功績と言っていいのだろう。ただ、これも、後には出入り禁止ということにはなってしまったが。
それから面白かったのは、料亭の場面。かなり凝って作った演出であった。ただ、芸者の菊千代が、明治の芸者というよりも、ちょっと現代風であるのは、まあこれはこれとして、ドラマの作りかたであろうか。
ノジギクをめぐる寿恵子の講釈が良かった。これは万太郎の考えを反映したものなのであろうが、古来より菊の花を愛でる日本人の気持ちと工夫が、大輪の見事な菊につながっていることになる。花を愛でる人のこころが大切なものであると語った。
まさに、花を愛でる人としての万太郎の物語にふさわしい寿恵子の台詞であった。
次回以降、さらに料亭が舞台になるらしい。帝国大学に復帰した万太郎は台湾に行くようだ。楽しみに見ることにしよう。
2023年8月26日記
『らんまん』第21週「ノジギク」
この週では、田邊の死から、万太郎の帝国大学助手就任までを描いていた。
たしかに、史実としては、帝国大学を辞めた矢田部は溺死している。また、牧野富太郎も助手になっている。これは、その後、講師になり、かなり長く続くことになる。ただ、その収入だけではとても生活できず、また、研究もままならなかったことは「自叙伝」などで書いてあるとおりである。それを支えたのは借金であったことになる。
田邊はドラマからは退場ということになったのだが、印象に残る登場人物であった。明治のはじめのころ、帝国大学の教授の立場にあった人間として、社会から期待されるものは大きかったのだろう。それを背負って、仕事をしたことになる。学問の制度の準備段階としては、このような働きの人物が必要とされると言ってよいだろう。
日本の植物学、帝国大学の植物学教室の基礎を築いた人物ということになる。また同時に、万太郎を見出して、植物学教室への出入りを許したことも、大きな功績と言っていいのだろう。ただ、これも、後には出入り禁止ということにはなってしまったが。
それから面白かったのは、料亭の場面。かなり凝って作った演出であった。ただ、芸者の菊千代が、明治の芸者というよりも、ちょっと現代風であるのは、まあこれはこれとして、ドラマの作りかたであろうか。
ノジギクをめぐる寿恵子の講釈が良かった。これは万太郎の考えを反映したものなのであろうが、古来より菊の花を愛でる日本人の気持ちと工夫が、大輪の見事な菊につながっていることになる。花を愛でる人のこころが大切なものであると語った。
まさに、花を愛でる人としての万太郎の物語にふさわしい寿恵子の台詞であった。
次回以降、さらに料亭が舞台になるらしい。帝国大学に復帰した万太郎は台湾に行くようだ。楽しみに見ることにしよう。
2023年8月26日記
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