英雄たちの選択「地の果てまで! 〜ザビエル 日本布教の真実〜」2023-09-16

2023年9月16日 當山日出夫

英雄たちの選択 地の果てまで! 〜ザビエル 日本布教の真実〜

今、日本語史の研究分野のなかで、もっとも精緻に研究が進んでいる分野の一つが、キリシタン文献である。すぐれた研究者が、着実に研究を進めていっている。(もう、日本語学の研究からリタイアしようと思っている人間としては、ただその成果を眺めているだけである。)

キリシタン資料とは、中世に日本にやってきたキリシタン宣教師たちが残した日本語についての資料である。代表的なものとしては、『日葡辞書』がある。この研究のおかげで、中世のおわりごろの日本語の音については、かなりのことが分かるようになった。また印刷史の面からも、日本における活字印刷の歴史として重要である。

日本語の歴史を勉強するうえで、キリシタンの歴史、イエズス会の歴史、また、大航海時代の歴史について知らなければならない。

同時に、私がキリシタンについて知っていることは、学生のとき、高瀬弘一郎先生の授業に出て学んだことが多い。火曜日の一時間目だったのを憶えている。時間に正確な先生で、九時にチャイムが鳴ると、三〇秒と遅れずに教室に入ってきて、講義がはじまった。ひたすらノートを取っていた。その時の講義のノートは、今でも処分せずに持っている。学生のときの思い出であると同時に、学問とはどういうものかを学ぶことのできた授業であると思うからである。

そのせいかもしれないが、宗教をささえる経済的基盤は何であるか、ということには、いまだに関心を持ち続けている。宗教や教団を考えるときに、それを支えている経済的な基盤は何であるか、考えることは重要である。強いていえば、経済的基盤を失ったとき、教団としては存続は難しくなる。

無論、日本とキリスト教というようなテーマで論じることも重要である。が、ただそれだけにとどまらないで考えるようになったのは、学生のときのキリシタン史の授業によってであると、今になってふり返って思うところがある。

2023年9月15日記

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。

名前:
メールアドレス:
URL:
次の質問に答えてください:
このブログの名称の平仮名4文字を記入してください。

コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://yamamomo.asablo.jp/blog/2023/09/16/9618048/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。