『ブギウギ』「笑う門には福来る」2023-10-15

2023年10月15日 當山日出夫

『ブギウギ』第2週「笑う門には福来る」

このドラマの良さは、これまでのところ、基本的に次の二点にあるかと思う。

第一には、銭湯を舞台とした人びとの交流。様々な人びとが個性的であり、魅力的である。ゴンベエさんはいったい何者なのだろうか。どこからかモモを持ってきた。いったいどうして手にいれたのだろう。あるいは、この人物がこのドラマの展開のキーになりそうな気がする。その他、鈴子をとりまく人びとは、どの人物も興味深い。銭湯を舞台として、人間の喜怒哀楽のさまざまが描かれるのかと思う。

第二には、舞台シーンの良さ。舞台場面があるというと、以前の『おちょやん』を思い出すが、この喜劇のシーンも良かった。同じBKの制作である。少女歌劇の舞台の艶やかさを、見事に演出していると感じる。

とりあえず以上のようなことを思ってみる。

ところで、やはり鈴子の出生には謎がありそうである。ここのところを、この先、ドラマでどう描いていくことになるのか、興味深い。

これから芸能の世界のことを描くことになるはずである。華やかな舞台の裏側には、いろんな闇の部分もあるだろう。それをどう描くか、あるいは、描かないか、気になるところである。義理と人情の物語に期待することにしよう。

どうでもいいことのようだが、気になっていることばある。「パンパン粉」とは何だろう。たぶん、白粉(おしろい)のことだと思うが、演芸の業界用語ということでいいのだろうか。

さて、次週からUSKが主な舞台になっていくようだ。鈴子がスズ子になる。ラインダンスの稽古や、舞台のシーンもあるらしい。ストライキはどうなるのだろうか。楽しみに見ることにしよう。

2023年10月14日記

プロフェッショナル仕事の流儀「ふたりのキネマ」2023-10-15

2023年10月15日 當山日出夫

プロフェッショナル 仕事の流儀 「ふたりのキネマ ~山田洋次と吉永小百合~」

正直に言うと、私は山田洋次監督が好きではない。たしかに映画監督として一流であることは認める。しかし、その描く世界の世界に今一つ共感できないところがある。これは何故だろうかと思うのだが、若いころより今にいたるまでそうである。(もうちょっと内省的に言うならば、山田洋次監督の描く世界に共感してしまう自分自身をなんとなく警戒してしまうところがあると言うべきだろうか。)

吉永小百合は、物心ついたときには、スター女優であった。(番組では、NHKの方針にしたがってなのだろうが「俳優」と言っている。)その女優としてのあり方、生き方は、特に映画好きの人間でなくても、どこか心に残るところがある。

番組としては面白かった。強いて言うならば、古い映画人と言っていいかもしれない。一昔、二昔前までの映画の世界は、このような監督がいて、女優、俳優がいて、映画を作ってきたのか、と感じるところがあった。

さて、自分の人生の仕事の終わりをどう考えるか。私なりに思うところがある。映画監督、女優というクリエイターの仕事と、私のやってきたことは違うとは思う。が、これが最後と思って仕事をしない、という考え方には、なるほどと思うところがある。しかし、その一方で、自分の最後の仕事は自分で決めたいという気持ちもある。どうにも思案のしどころである。

2023年9月29日記