雑談「昭和」への道 第八回 秀才信仰と骨董兵器2023-10-17

2023年10月17日 當山日出夫

司馬遼太郎 雑談「昭和」への道 第八回 秀才信仰と骨董兵器

この回も「雑談」なので、とりとめのない感想となる。

番組のなかで印象的だったことがいくつかある。

太平洋戦争を始めるとき、あるいは、大東亜共栄圏という構想を打ち立てたとき、それが世界の人びとからどのように見られるのか、ということへの想像力がはたらかなかったのだろうか、という意味のことを、司馬遼太郎は語っていた。確かに、歴史の結果を知っている我々から見れば、そういうことも言えるかと思う。しかし、その当時、ヒトラーの台頭するドイツと組むことにしたということもまた歴史の事実である。はたして、その当時の人びとは……国家の指導者、ジャーナリズム、世論……は、どうだったのだろうか。

また、昭和戦前の国家の指導者、特に軍人に、本当の愛国心があったのだろうかと、問いかけてもいる。ここで司馬遼太郎の言っている愛国心は、国家、軍隊の実力についてのリアルな感覚のうえに成りたつものということになる。明治の時代には、まだリアルな感覚が生きていた。この意味では、現代の日本における、愛国心のあり方をかえりみる必要もあるだろう。素朴な愛郷心、郷土愛の延長に、国家を軸とした愛国心があるとして、どれほど、世界の状況のなかでリアルな知識と判断によっていることになるのだろうか。

2023年10月14日記

ドキュメント72時間「福岡 ボートレース場前の酒場にて」2023-10-17

2023年10月17日 當山日出夫

ドキュメント72時間 福岡 ボートレース場前の酒場にて

私は、ギャンブルのたぐいは一切しない。競馬場とか競艇場とか行ったことがない。パチンコ屋にも入ったことがない。宝くじも買ったことがない。だから、ギャンブルを愛好するという人間の気持ちが、まったくわからない。

しかし、人生はギャンブルである……このように言われると、なんとなく納得するところもある。これまでの人生で、いくつかの分岐点があり、偶然の人との出会いがあり、なんだかんだと生きてきている。

番組としてはとても面白かった。競艇場ではなく、その近くにある酒場に集まる人びとの人間模様をたくみにとらえていたと思う。

まあ、なかにはギャンブル依存症というような人もいるかと思うが、登場していなかった。

気になったのは、提供される料理。クジラのしぐれ煮、というのがあった。まだ、日常的にクジラを食べることが続いているところがあることになる。ちなみに、私の子供のころ、近所の市場には、クジラ肉のお店があった。小学校の教科書にも、日本の南氷洋での捕鯨のことが出てきたと記憶する。思えば時代が変わったものである。

それから、酒の自動販売機も面白かった。世の中にはいろんな自動販売機がある。ドキュメント72時間では、うどん自動販売機が登場してきている。コップ一杯で二〇〇円というのは、かなりリーズナブルである。(ただ、私の場合、この一〇年以上、日本酒というものを飲んでいない。)

ビールを瓶から直接飲むというのは、あまり見かけない光景である。店によって流儀の違いがあるのだろうか。

それから、競艇選手も大変らしい。たしか、100カメだったろうか、競艇選手のことを取りあげていたのを見たと憶えている。

2023年10月14日記