名品の来歴「聖フランシスコ・ザビエル像」 ― 2023-10-27
2023年10月27日 當山日出夫
名品の来歴 聖フランシスコ・ザビエル像
再放送である。最初の放送は、二〇二一年。そのこともあるのだろうが、中に出てきた池永孟について、牧野富太郎の植物標本コレクションが散逸するのを防ぐために資金を提供したことは、出てきてない。これが、今だったら、朝ドラ『らんまん』があるから、きっと牧野富太郎のことに触れていたにちがいない。池永孟のおかげで、牧野富太郎の標本は戦禍をまぬがれ、今は東京都立大学にある。
『らんまん』には、池永孟をモデルにした人物は登場していたが、南蛮美術のコレクションのことなどは出てこなかったと憶えている。
ザビエル像については、私も無論知っている。子供のころ、学校の教科書に載っていたのを憶えている。だが、この絵が、どのような経緯で描かれ、伝えられ、世に出て、今の状態になったのか、このことは、あまり知られていないと思う。
キリシタン、南蛮文化の時代に、西洋絵画を学んだ日本人の手になるものらしい。それが、大阪の隠れキリシタンの家にうつり、近代になるまで眠っていた。大正時代に、地元の人の努力で発見され、それは、新村出の目にとまった。これをコレクションに加えたのが、池永孟だった。南蛮文化の美術館を私財を投じて作ったが、戦後になって、神戸市に寄贈。それが、現在では、神戸市立博物館で守られている。
数奇な運命をたどった絵である。特に、池永孟のことは興味深い。この人の評伝でも出れば、読んでみたいと思う。牧野富太郎の標本の保存にあたった功績も大きいと思うし、南蛮文化のコレクションがどんなものだったか、きわめて興味あるところである。
ザビエル像を伝えてきた家では、池永が絵を買い取って払ったお金(かなりの大金である)には、何十年以上たった今でも、手をつけずに今にいたるまでそのまま残しているという。これは、感動的なエピソードである。
2023年10月25日記
名品の来歴 聖フランシスコ・ザビエル像
再放送である。最初の放送は、二〇二一年。そのこともあるのだろうが、中に出てきた池永孟について、牧野富太郎の植物標本コレクションが散逸するのを防ぐために資金を提供したことは、出てきてない。これが、今だったら、朝ドラ『らんまん』があるから、きっと牧野富太郎のことに触れていたにちがいない。池永孟のおかげで、牧野富太郎の標本は戦禍をまぬがれ、今は東京都立大学にある。
『らんまん』には、池永孟をモデルにした人物は登場していたが、南蛮美術のコレクションのことなどは出てこなかったと憶えている。
ザビエル像については、私も無論知っている。子供のころ、学校の教科書に載っていたのを憶えている。だが、この絵が、どのような経緯で描かれ、伝えられ、世に出て、今の状態になったのか、このことは、あまり知られていないと思う。
キリシタン、南蛮文化の時代に、西洋絵画を学んだ日本人の手になるものらしい。それが、大阪の隠れキリシタンの家にうつり、近代になるまで眠っていた。大正時代に、地元の人の努力で発見され、それは、新村出の目にとまった。これをコレクションに加えたのが、池永孟だった。南蛮文化の美術館を私財を投じて作ったが、戦後になって、神戸市に寄贈。それが、現在では、神戸市立博物館で守られている。
数奇な運命をたどった絵である。特に、池永孟のことは興味深い。この人の評伝でも出れば、読んでみたいと思う。牧野富太郎の標本の保存にあたった功績も大きいと思うし、南蛮文化のコレクションがどんなものだったか、きわめて興味あるところである。
ザビエル像を伝えてきた家では、池永が絵を買い取って払ったお金(かなりの大金である)には、何十年以上たった今でも、手をつけずに今にいたるまでそのまま残しているという。これは、感動的なエピソードである。
2023年10月25日記
ザ・バックヤード「防災科学技術研究所」 ― 2023-10-27
2023年10月27日 當山日出夫
ザ・バックヤード 防災科学技術研究所
この研究所のことは知らなかった。全編にわたってバックヤードという感じだった。
テレビのニュースなどで、地震とか豪雨災害などが起こったとき、出てくるのは、たいてい京大の研究所である。防災科学技術研究所のことはほとんどマスコミには登場することがないと思うが、どうだったろうか。
全国の地震のデータが集約されている。気象庁とデータを共有している。なるほど、このようなシステムを構築することによって、地震が起こったときの速報が出るのかと、感心しながら見ていた。
東日本大震災のときの地震のデータを再現して見せてくれたのは、とても興味深かった。
病院の施設を再現して、人工的に地震を起こして、医療機器の状態を見るなど、非常に有用な研究である。
それから豪雨災害の研究とか、雪の研究とか、地道な基礎研究の積み重ねがあって、いずれ防災に役立つときがくるのだろう。このような基礎的な研究にこそ、十分な予算をつけるべきだと強く思った。
2023年10月26日記
ザ・バックヤード 防災科学技術研究所
この研究所のことは知らなかった。全編にわたってバックヤードという感じだった。
テレビのニュースなどで、地震とか豪雨災害などが起こったとき、出てくるのは、たいてい京大の研究所である。防災科学技術研究所のことはほとんどマスコミには登場することがないと思うが、どうだったろうか。
全国の地震のデータが集約されている。気象庁とデータを共有している。なるほど、このようなシステムを構築することによって、地震が起こったときの速報が出るのかと、感心しながら見ていた。
東日本大震災のときの地震のデータを再現して見せてくれたのは、とても興味深かった。
病院の施設を再現して、人工的に地震を起こして、医療機器の状態を見るなど、非常に有用な研究である。
それから豪雨災害の研究とか、雪の研究とか、地道な基礎研究の積み重ねがあって、いずれ防災に役立つときがくるのだろう。このような基礎的な研究にこそ、十分な予算をつけるべきだと強く思った。
2023年10月26日記
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