『ブギウギ』「ほんまの家族や」2023-11-05

2023年11月5日 當山日出夫

『ブギウギ』第5週「ほんまの家族や」

このドラマは、週ごとに話しがまとまっているという作り方をしていない。この週でも、前半と後半で大きく展開が変わった。

香川に行ったスズ子は、自分の出生にまつわる事実を知ることになる。生みの母親に会いに行く。このところ、スズ子は台詞なしであったが、自分の出生の事実を知った心境がうまく演じられ表現されていたと感じる。これまでの朝ドラにはなかったような作り方であった。

この時、もらった時計がちょっと気になる。これから、スズ子の人生のなかでこの時計が再び登場することがあるかもしれない。

週の後半は、スズ子の東京行きのこと。東京から来た演出家に認められる。東京に出ないかと誘いをかけられる。スズ子は、東京に行きたいと思う。これに反対したのが、母親のツヤだった。が、そのツヤも最後にはスズ子の東京行きに同意する。このあたり、スズ子が自分の本当の子供ではないことを知ってしまったのだろうかと、考えるツヤの表情がよかった。

大和礼子が亡くなった。そして、スズ子たちのUSK退団記念講演となる。この舞台のシーンが印象に残る。

ところで、ちょっと気になったのは、作中で出てきた歌。歌っていた歌手の名前が「茨田」だが、「いばらだ」と読んでいた。普通、「まった」あるいは「まんだ」と読むと思っていたのだが、ここは、漢字をそのまま読むということになっていた。(ちなみに、ATOKでは、「まっ」「まんだ」「いばらだ」のどれも変換する。)

また、この歌のシーン。テレビは字幕を表示して見ているのだが、この歌の歌詞では、いわゆる旧漢字が使ってあった。テレビ放送における文字の問題は、常々気にしていることなのだが、こういうふうに旧漢字を使うことは珍しいと思う。

タイ子の踊りのシーンもよかった。さすが本職である。

次週から東京にうつるようだ。楽しみに見ることにしよう。

2023年11月4日記

映像の世紀バタフライエフェクト「巨大工事 世界はどうつながってきたのか」2023-11-05

2023年11月5日 當山日出夫

映像の世紀バタフライエフェクト 巨大工事 世界はどうつながってきたのか

個々のエピソードは、どれも興味深いものなのだが、番組全体として何を語りたいのか、今一つはっきりしなかった。シベリア鉄道だけ、あるいは、パナマ運河だけ、ということで絞った方がよかったかもしれない。英仏海峡トンネルでもいい。

ともあれ、番組でとりあげていた巨大な工事が、その時々の、国家の政治、経済、軍事と強く結びついていることは、重要なことである。この意味では、ロシアが現在も建設しているバム鉄道や、アフリカで中国企業が建設した鉄道など、特に大きな意味があるかと思う。

英仏海峡トンネルを使って、大量の不法移民が大陸からイギリスに押し寄せてきていたということは、日本の報道では見た記憶がない。また、トンネル建設に対して、強い反対意見が昔からあったということも、報道されていなかったと思う。(たまたま、私が目にしなかったということなのかとも思うが。)

番組の意図とはあまり関係ないかもしれないが、記憶にあるところでは、東日本大震災の時のインターネットがある。二〇一一年三月一一日、確かにインターネットはつながった。このとき、Twitterはすでに使っていた。様々な情報がTwitter上に拡散していたのを記憶している。しかし、この時点では、まだスマーフォンは普及の前だったので、リアルタイムで災害の映像がインターネット上に流れるということはなかったと記憶する。災害の映像を伝えていたのは、もっぱらテレビだった。

また、この時、数日後に東京に行く予定が入っていたのだが、取りやめになった。予約しておいたホテルをキャンセルするのに、連絡手段としてつながったのは、電子マールだけだった。それも、普段よりはつながりにくかったと思うのだが、それでもどうにかつながった。

なるほど、軍事目的で、どのような障害があったとしても、なんとかつながるようにということで、インターネットが作られたというのは、こういうことなのかと思ったことを憶えている。

2023年11月1日記