映像の世紀バタフライエフェクト「パリは燃えているか」2023-11-30

2023年11月30日 當山日出夫

映像の世紀バタフライエフェクト パリは燃えているか

「パリは燃えているか」のCDは買って持っていたかと思うのだが、今はどこにしまいこんでしまったか、見当たらない。

描いていたのは、パリの近代の一〇〇年ほどの歴史。第一次世界大戦から、現代にいたるまでである。シャネル、ピカソ、ドゴール、この三人を軸に描いていた。

見ていて貴重かなと思ったのは、第二次世界大戦中、ドイツの占領下にあったパリの日常の様子。ドイツに降伏したパリ市民がどんな生活をしていたのか、その一端を見ることができた。強いていえば、歴史的には、フランスもまたナチスへの協力者であったということになる。それが、戦後、どのような経緯で、戦勝国側の立場にたつことになったかは、これはこれで考えるべき問題だろうが。

第二次世界大戦とフランス、ということで出てくるのが、ドイツの占領下にあったとき、ドイツと仲のよかった女性たちのこと。髪の毛を刈られて街中を引き回された。私は、この映像を見るたびに、人間の愚かさを象徴するものではないかという思いになる。どのような悲惨な戦争の映像よりも、人間社会の持っている愚かさがにじみ出ていると感じになる。

それから、晩年のシャネルのことばが印象に残る。

さて、見終わって感じることとしては、国家とは何か、国民国家とは何かという問題である。移民政策によって、いわゆる生粋のフランス人というべき人ではない、外国に出自を持つ人びとが増えている。そのなかにあって、争いも起こる。だが、そうであっても、連帯を求める人びともいる。いうならばパリがパリであり続けるためには、多様な人びとの連帯が不可欠であるということになろうか。

(番組では何も言っていなかったが)では、日本において、日本が日本であり続けるためにはどうあるべきか、この問いがあることになる。

2023年11月28日記

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