『ブギウギ』「ワテらはもう自由や」 ― 2024-01-14
2024年1月14日 當山日出夫
『ブギウギ』第15週「ワテらはもう自由や」
戦争が終わった。
この週の見どころは、やはりなんといっても茨田りつ子と福来スズ子のステージである。「別れのブルース」「ラッパと娘」それぞれに持ち味を出していて、とてもよかった。残念ながら、土曜日の回では、「別れのブルース」がカットされてしまっていた。
『日米会話手帳』が、戦後まもなく誠文堂新光社が刊行されてベストセラーになったことは、出版史の事件である。これが、ドラマのなかに登場してきたのは、初めてかもしれない。さて、過去の朝ドラではどうだったろうか。
期待していたのは、おでんの屋台の伝蔵が、闇市で復活して登場するのではないかということだったのだが、残念ながら出てきていなかった。(来週以降、再登場はあるだろうか。)
楽団は解散することになった。戦後になって、音楽の仕事が増え、メンバーを維持することが難しくなってきた。ここはスズ子の決断である。
ただ気になることとしては、戦後になったからといっていきなり自由になったということではなく、今度は、GHQの管理が始まるということになるのだが、このあたりはどう描くことになるだろうか。
それからドラマの内容とは関係のないことなのだが、気になっていることがある。戦争中の登場人物の服装である。これまで多くの戦時下を描いたドラマでは、登場人物はみんな上着の胸のところに、名前・住所を書いた四角い布きれを縫い付けていた。それが、この『ブギウギ』では見られなかった。これは、時代考証として、必ずしも全員がそうしていたわけではない、ということなのだろうか。
また、玉音放送のシーン。陛下の放送が流れる前に、アナウンサーが聞いている人に対して起立を促していたということが、言われている。これは、昨年のNHKのドラマ『アナウンサーたちの戦争』で描いてあった。このあたりも、どうなのだろうかと思うところがある。
さて、次週はスズ子が芝居に挑戦するようだ。秋山もまた出てくる。小夜ちゃんはどうなるだろうか。楽しみに見ることにしよう。
2024年1月13日記
『ブギウギ』第15週「ワテらはもう自由や」
戦争が終わった。
この週の見どころは、やはりなんといっても茨田りつ子と福来スズ子のステージである。「別れのブルース」「ラッパと娘」それぞれに持ち味を出していて、とてもよかった。残念ながら、土曜日の回では、「別れのブルース」がカットされてしまっていた。
『日米会話手帳』が、戦後まもなく誠文堂新光社が刊行されてベストセラーになったことは、出版史の事件である。これが、ドラマのなかに登場してきたのは、初めてかもしれない。さて、過去の朝ドラではどうだったろうか。
期待していたのは、おでんの屋台の伝蔵が、闇市で復活して登場するのではないかということだったのだが、残念ながら出てきていなかった。(来週以降、再登場はあるだろうか。)
楽団は解散することになった。戦後になって、音楽の仕事が増え、メンバーを維持することが難しくなってきた。ここはスズ子の決断である。
ただ気になることとしては、戦後になったからといっていきなり自由になったということではなく、今度は、GHQの管理が始まるということになるのだが、このあたりはどう描くことになるだろうか。
それからドラマの内容とは関係のないことなのだが、気になっていることがある。戦争中の登場人物の服装である。これまで多くの戦時下を描いたドラマでは、登場人物はみんな上着の胸のところに、名前・住所を書いた四角い布きれを縫い付けていた。それが、この『ブギウギ』では見られなかった。これは、時代考証として、必ずしも全員がそうしていたわけではない、ということなのだろうか。
また、玉音放送のシーン。陛下の放送が流れる前に、アナウンサーが聞いている人に対して起立を促していたということが、言われている。これは、昨年のNHKのドラマ『アナウンサーたちの戦争』で描いてあった。このあたりも、どうなのだろうかと思うところがある。
さて、次週はスズ子が芝居に挑戦するようだ。秋山もまた出てくる。小夜ちゃんはどうなるだろうか。楽しみに見ることにしよう。
2024年1月13日記
「青い募金箱 イスラエル建国の真実」 ― 2024-01-14
2024年1月14日 當山日出夫
BS世界のドキュメンタリー 青い募金箱 イスラエル建国の真実
録画してあったものである。昨年(二〇二三)一一月六日の放送(再放送)。最初は、二〇二二年。オリジナルは、二〇二一年の制作。
イスラエル建国の物語なのだが、イスラエルの人びとがどのような感覚で自分の国の成立を考えているのか、その一端を知ることができる。
パレスチナの土地に住んでいたアラブ人たちを、移送して……つまりは追い出して……ユダヤ人の入植、植林を進めたことは確かなことである。その役割の中心にいたヨセフは、少なくとも賠償金を支払うべきだと言っていた。そうでなければ、倫理的に問題があるし、近隣のアラブ国家と共存していくことができない。
ユダヤ人の国としてのイスラエルの存在は、否定しがたい。だが、それは、パレスチナ難民を生み出すことで成立することになる。この国家の負の側面を冷静に見つめる目が、この番組にはある。今の日本なら、さしずめ自虐史観ということで批判されかねない。さて、この番組について、イスラエルの人たちは、どう思っているのだろうか。このあたりも知りたいところである。
パレスチナ難民の不幸は、近隣のアラブ諸国がその受け入れを拒んだということにも一因がある。難民を受け入れてしまうと、ユダヤ人国家のイスラエルを認めるということになる。
しかし、これからのことを考えるならば、イスラエルと周辺のアラブ国家、ユダヤ人とアラブ人の共存という道を探っていくしかないと、私には思える。度重なる戦争で、双方が血を流している。共存の道はたやすいものではないだろうが、だからといって、イスラエルを滅ぼしてしまえばいいというような議論は、非現実的であり、またさらなる不幸を生むだけである。
ともあれ、イスラエルという国なりたちがどういうプロセスであったのか、検証するという意図は、評価されるべきである。国際共同制作とあったのだが、どれぐらいイスラエルがかかわっていたのか、気になるところである。
しかし、今、パレスチナの地は、新たな憎悪の連鎖のなかにふみこんでしまっている。なんとかして共存できる道筋を探せないものかと思うばかりである。
2024年1月12日記
BS世界のドキュメンタリー 青い募金箱 イスラエル建国の真実
録画してあったものである。昨年(二〇二三)一一月六日の放送(再放送)。最初は、二〇二二年。オリジナルは、二〇二一年の制作。
イスラエル建国の物語なのだが、イスラエルの人びとがどのような感覚で自分の国の成立を考えているのか、その一端を知ることができる。
パレスチナの土地に住んでいたアラブ人たちを、移送して……つまりは追い出して……ユダヤ人の入植、植林を進めたことは確かなことである。その役割の中心にいたヨセフは、少なくとも賠償金を支払うべきだと言っていた。そうでなければ、倫理的に問題があるし、近隣のアラブ国家と共存していくことができない。
ユダヤ人の国としてのイスラエルの存在は、否定しがたい。だが、それは、パレスチナ難民を生み出すことで成立することになる。この国家の負の側面を冷静に見つめる目が、この番組にはある。今の日本なら、さしずめ自虐史観ということで批判されかねない。さて、この番組について、イスラエルの人たちは、どう思っているのだろうか。このあたりも知りたいところである。
パレスチナ難民の不幸は、近隣のアラブ諸国がその受け入れを拒んだということにも一因がある。難民を受け入れてしまうと、ユダヤ人国家のイスラエルを認めるということになる。
しかし、これからのことを考えるならば、イスラエルと周辺のアラブ国家、ユダヤ人とアラブ人の共存という道を探っていくしかないと、私には思える。度重なる戦争で、双方が血を流している。共存の道はたやすいものではないだろうが、だからといって、イスラエルを滅ぼしてしまえばいいというような議論は、非現実的であり、またさらなる不幸を生むだけである。
ともあれ、イスラエルという国なりたちがどういうプロセスであったのか、検証するという意図は、評価されるべきである。国際共同制作とあったのだが、どれぐらいイスラエルがかかわっていたのか、気になるところである。
しかし、今、パレスチナの地は、新たな憎悪の連鎖のなかにふみこんでしまっている。なんとかして共存できる道筋を探せないものかと思うばかりである。
2024年1月12日記
歴史探偵「平安京ダークサイド」 ― 2024-01-14
2024年1月14日 當山日出夫
歴史探偵 平安京ダークサイド
再放送である。最初の放送は、二〇二一年。さて、このときには、『光る君へ』制作のことは発表になっていただろうか。
平安時代のダークなところをとりあげている。
平安京という都は、設計図としては、長方形に整然としているが、実際には西側の右京の部分が廃れてしまった。原因は、水害である。それを現在の天神川の痕跡に見ることができる。
群盗も跋扈した。平安時代は、暴力的な盗賊が多数いた時代ということになる。平安京の人びとは、貴族をふくめて安穏としていられなかったということになる。どれほどの信憑性があるか疑問もあるが、現在に伝わる馬に乗って弓を射る場面は迫力があった。
『餓鬼草紙』も紹介されていた。このあたりのことは、『今昔物語集』などを読んでも、平安時代の暮らしが実際はどんなものであったか、推測できるところではある。
興味深かったのは、古記録……『中右記』などの公家の日記……に残された、乱暴の数々。さて、平安貴族は暴力的だったのだろうか。死のけがれ、血のけがれということは、実際にどのように生活のなかで意識されていたのだろうか。
平安時代を考えるのに、『源氏物語』や『古今和歌集』などの王朝貴族文学から考えることもできるし、『今昔物語集』のような説話から考えることもできる。歴史学としては、古文書を軸に見る方法もあるし、古記録を中心に見ることもできる。また、ちょっと違った立場としては、漢籍の受容とか、あるいは、仏教史というような視点から見ることもできる。あつかう資料・史料によってどのような平安時代をイメージするか異なってくるだろう。
『光る君へ』では、どのような平安時代を描くことになるだろうか。
2024年1月13日記
歴史探偵 平安京ダークサイド
再放送である。最初の放送は、二〇二一年。さて、このときには、『光る君へ』制作のことは発表になっていただろうか。
平安時代のダークなところをとりあげている。
平安京という都は、設計図としては、長方形に整然としているが、実際には西側の右京の部分が廃れてしまった。原因は、水害である。それを現在の天神川の痕跡に見ることができる。
群盗も跋扈した。平安時代は、暴力的な盗賊が多数いた時代ということになる。平安京の人びとは、貴族をふくめて安穏としていられなかったということになる。どれほどの信憑性があるか疑問もあるが、現在に伝わる馬に乗って弓を射る場面は迫力があった。
『餓鬼草紙』も紹介されていた。このあたりのことは、『今昔物語集』などを読んでも、平安時代の暮らしが実際はどんなものであったか、推測できるところではある。
興味深かったのは、古記録……『中右記』などの公家の日記……に残された、乱暴の数々。さて、平安貴族は暴力的だったのだろうか。死のけがれ、血のけがれということは、実際にどのように生活のなかで意識されていたのだろうか。
平安時代を考えるのに、『源氏物語』や『古今和歌集』などの王朝貴族文学から考えることもできるし、『今昔物語集』のような説話から考えることもできる。歴史学としては、古文書を軸に見る方法もあるし、古記録を中心に見ることもできる。また、ちょっと違った立場としては、漢籍の受容とか、あるいは、仏教史というような視点から見ることもできる。あつかう資料・史料によってどのような平安時代をイメージするか異なってくるだろう。
『光る君へ』では、どのような平安時代を描くことになるだろうか。
2024年1月13日記
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