「ブチャに春来たらば 〜戦禍の町の再出発〜」 ― 2024-01-18
2024年1月18日 當山日出夫
BS世界のドキュメンタリー 「ブチャに春来たらば 〜戦禍の町の再出発〜」
二〇二二年、ドイツの制作。
ウクライナでの戦争がはじまって、二年近くになるが終わる気配はない。
ブチャでのことが報道されてからかなりになる。そのときは、ロシア軍の残虐さが強調された報道であったと記憶する。
番組で描いていたのは、ロシア軍が去った後の市民の生活。遺体の身元を特定して埋葬する。分からない場合には、DNAのサンプルが採集できるようにしておく。
ロシア軍が去っても、そこには人びとの日常生活がある。イースターを祝うことも忘れていない。
印象的だったのは、ウクライナ兵の姿。この戦争は、あきらかにウクライナという国家と民族の意識をより強固なものにしたということになる。ロシアに対する敵愾心と、ウクライナへの愛国心が一体となっている。(このような心情のあり方について、いわゆるリベラルな立場からは批判的に考えることになるのだろうが、日本において、あまりそのような発言に接することはない。)
ドイツの制作ということで、ウクライナよりの立場ということはあるかと思う。だが、そのようなことがあるとしても、戦禍にみまわれた街においても、人びとの普通の生活は続いていくものであるということを感じさせる番組となっていた。
2024年1月14日記
BS世界のドキュメンタリー 「ブチャに春来たらば 〜戦禍の町の再出発〜」
二〇二二年、ドイツの制作。
ウクライナでの戦争がはじまって、二年近くになるが終わる気配はない。
ブチャでのことが報道されてからかなりになる。そのときは、ロシア軍の残虐さが強調された報道であったと記憶する。
番組で描いていたのは、ロシア軍が去った後の市民の生活。遺体の身元を特定して埋葬する。分からない場合には、DNAのサンプルが採集できるようにしておく。
ロシア軍が去っても、そこには人びとの日常生活がある。イースターを祝うことも忘れていない。
印象的だったのは、ウクライナ兵の姿。この戦争は、あきらかにウクライナという国家と民族の意識をより強固なものにしたということになる。ロシアに対する敵愾心と、ウクライナへの愛国心が一体となっている。(このような心情のあり方について、いわゆるリベラルな立場からは批判的に考えることになるのだろうが、日本において、あまりそのような発言に接することはない。)
ドイツの制作ということで、ウクライナよりの立場ということはあるかと思う。だが、そのようなことがあるとしても、戦禍にみまわれた街においても、人びとの普通の生活は続いていくものであるということを感じさせる番組となっていた。
2024年1月14日記
フロンティア「中国・アメリカ 月への夢」 ― 2024-01-18
2024年1月18日 當山日出夫
フロンティア 中国・アメリカ 月への夢
科学や技術の観点からは、いろいろと考えるべきことがあるにちがいない。番組の趣旨から少しはずれるかもしれないが、思ったことを書いてみる。
中国の習近平が、演説で中華民族ということを言っていた。中国は多民族国家であるというのは、思い違いであったのか。まあ、このあたり歴史的には、清朝が異民族支配ということで、そこから漢民族の復権というストーリーはあるのだろうと思っているが。
中国の宇宙開発は、民族意識を強く担ってのものであることは見逃してはならないことかと思っている。
だが、その中国も嫦娥計画で、フランスと共同しなければならない。
月を目指している、さらに火星を目指しているのは、アメリカ、中国、それからヨーロッパがある。さらにインドも続こうとしている。それぞれにしのぎをけずっていることになる。
しかし、これも、もはや一つの国だけで宇宙開発を実行できる段階にはない。膨大なコストの負担、技術面での相互協力が不可欠になってきている。
確かに、今のウクライナやパレスチナの状況を見れば、宇宙開発よりも目の前の傷ついた子供たちを救うべきという議論もあるだろう。そうはいっても、宇宙開発を軸にして、世界の各国の協力体制を築くことができるならば、それはそれとして価値のあることであると思う。
2024年1月11日記
フロンティア 中国・アメリカ 月への夢
科学や技術の観点からは、いろいろと考えるべきことがあるにちがいない。番組の趣旨から少しはずれるかもしれないが、思ったことを書いてみる。
中国の習近平が、演説で中華民族ということを言っていた。中国は多民族国家であるというのは、思い違いであったのか。まあ、このあたり歴史的には、清朝が異民族支配ということで、そこから漢民族の復権というストーリーはあるのだろうと思っているが。
中国の宇宙開発は、民族意識を強く担ってのものであることは見逃してはならないことかと思っている。
だが、その中国も嫦娥計画で、フランスと共同しなければならない。
月を目指している、さらに火星を目指しているのは、アメリカ、中国、それからヨーロッパがある。さらにインドも続こうとしている。それぞれにしのぎをけずっていることになる。
しかし、これも、もはや一つの国だけで宇宙開発を実行できる段階にはない。膨大なコストの負担、技術面での相互協力が不可欠になってきている。
確かに、今のウクライナやパレスチナの状況を見れば、宇宙開発よりも目の前の傷ついた子供たちを救うべきという議論もあるだろう。そうはいっても、宇宙開発を軸にして、世界の各国の協力体制を築くことができるならば、それはそれとして価値のあることであると思う。
2024年1月11日記
「ジーン・シャープ“独裁体制から民主主義へ” (2)非暴力という「武器」」 ― 2024-01-18
2024年1月18日 當山日出夫
100分de名著 ジーン・シャープ“独裁体制から民主主義へ” (2)非暴力という「武器」
どうしても天邪鬼に考えてしまうのだが、非暴力闘争が意味を持ちうるためには、その独裁者に支配される人びとが、独裁体制を忌避し民主化を求めているということが大前提にある。だが、独裁体制とはそんなに悪いものなのだろうか。
たぶん、今の中国は独裁体制でしか統治できないと思える。民主化するとしたら、多民族国家として、どう統一を保ち、分裂を防ぐのか、ということがまず問題になる。(それと最重要なことは、中国が持っている核兵器の管理である。)
セルビアの事例は、旧ユーゴスラビアという国家の破綻をうけて、小さくまとまった単位としてあったからこそ可能であったのではないか。あるいは、このような歴史的な条件を見極めてこその、非暴力闘争ということになるだろう。失敗した事例は状況の分析が不十分であった。(このような議論は延々と水掛け論になる。)
さらに、今の世界で、シャープの本を読んでいることもさえもが、スマートフォンの盗聴、通信の傍受、SNSの監視という危険のもとにあることになる。時代は変わっているのだと思うが、はたしてどうだろうか。これも、その時代にあった戦略を考えればいいということなのだろうか。
2024年1月16日記
100分de名著 ジーン・シャープ“独裁体制から民主主義へ” (2)非暴力という「武器」
どうしても天邪鬼に考えてしまうのだが、非暴力闘争が意味を持ちうるためには、その独裁者に支配される人びとが、独裁体制を忌避し民主化を求めているということが大前提にある。だが、独裁体制とはそんなに悪いものなのだろうか。
たぶん、今の中国は独裁体制でしか統治できないと思える。民主化するとしたら、多民族国家として、どう統一を保ち、分裂を防ぐのか、ということがまず問題になる。(それと最重要なことは、中国が持っている核兵器の管理である。)
セルビアの事例は、旧ユーゴスラビアという国家の破綻をうけて、小さくまとまった単位としてあったからこそ可能であったのではないか。あるいは、このような歴史的な条件を見極めてこその、非暴力闘争ということになるだろう。失敗した事例は状況の分析が不十分であった。(このような議論は延々と水掛け論になる。)
さらに、今の世界で、シャープの本を読んでいることもさえもが、スマートフォンの盗聴、通信の傍受、SNSの監視という危険のもとにあることになる。時代は変わっているのだと思うが、はたしてどうだろうか。これも、その時代にあった戦略を考えればいいということなのだろうか。
2024年1月16日記
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