『光る君へ』「五節の舞姫」2024-01-29

2024年1月29日 當山日出夫

『光る君へ』第4回「五節の舞姫」

この回では、『源氏物語』にかかわりのあることがちりばめられていた。

猫、「若菜」で、柏木と女三宮との関係で決定的な役割として出てくる。「竹取物語」、『源氏物語』では作者(紫式部)の物語論において言及される。「五節の舞」、これも『源氏物語』に出てくる。

なかで一番印象的だったのは、五節の舞である。『源氏物語』を読んで知識としては知っていることなのだが、具体的にどんな芸能であるかイメージできないでいた。ドラマで出てきた五節の舞が、時代考証としてどの程度信用できるかということはあるのだが、たぶん、こんなものだったのかもしれない、ということにはなるかと思う。

当時の貴族社会にあって、男性が烏帽子など頭にかぶっているものを取られることは最大の恥辱であるということは、常識的なことかと思っているのだが、それを伊藤敏恵アナウンサーの声で説明されると、「映像の世紀」を見ている雰囲気になる。(この前、テレビで相撲を見ていたら、行司が相撲にふっとばされてころんだ拍子に烏帽子が取れてしまった。これなど、時代が時代なら、とんでもない場面ということになるが。)

昔、若いとき、東京に住んでいたとき、国立劇場の小劇場の雅楽の公演には何回か行ったことがある。はっきりいって、昔から伝わっている音楽として、このような音楽に感動した人がかつてはいたのか、という意味で、ある感慨をいだいたのを覚えている。しかし、なかで、龍笛の演奏でこれはすごい音楽だと感じたことがある。感動した。演奏していたのは、芝祐靖である。

この回で猫が出てきたので、もうこれからは出てこないのだろうか。「若菜」のシーンの再現があってもいいように思うが、どうだろうか。

花山天皇であるが、銭のことを言っていた。平安時代の中期、どれほど銭は流通していたのだろうか。このあたり最近の研究ではどうなっているのかと思う。

これからの展開で気になるのは、やはり花山天皇の退位のときのこと。これは『大鏡』に出てくる。

ドラマにおいては、まひろは三郎と道兼のことを知ったことになる。これからどうなるか、次週以降を楽しみに見ることにしよう。

2024年1月28日記

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