ドキュメント72時間「上野 格安の婦人服店で」2024-01-30

2024年1月30日 當山日出夫

ドキュメント72時間 上野 格安の婦人服店で

婦人服の流通がどうなっているかまったく知らないのだが、余った在庫処分などで格安になる商品があるだろうぐらいは、なんとか理解できる。ブランドなど気にしなければ、このような店が繁盛するのも分かる。

そのように編集したせいかもしれないが、登場する人たち……ほとんが女性であるが……が、みな人生に前向きで肯定的である。服を買うことに、つかの間の幸福を見出している。このようなところが、都会の片隅にあっていいと思う。

ちょっと気になったこととしては……ことばのことについてだが……「かわいい」ということばが多く出てきていた。日本語のなかで、「かわいい」ということばが、多用されるようになったのは、たぶん私の若いころからのことだったかと思う。番組を見ていると、かなり高齢の女性でも、服を選ぶとき「かわいい」と言っていた。

こういうことばの使い方は、私はしない。おそらくは、世代差、男女差があるのだろうと思う。(といって、特にどんな研究論文があるか調べてみようという気にはならないでいるのだが。)

それから、外国人……と言っていいだろう……が幾人か登場していた。今の日本において、いわゆる外国人労働者といわれる人たちの存在なくしては、社会が維持できないということの一端かとも思って見ていた。そのような人たちにとっても、この店は、一時の息抜きの場所になっているようだ。

人生を積極的に生きていくのに、何も贅沢なものはいらない。ちょっとお金があって、それで心が満たされる場所があればいいのか、このように思った次第である。

2024年1月28日記

「スベトラーナ 自由を求めたスターリンの娘」2024-01-30

2024年1月30日 當山日出夫

BS世界のドキュメンタリー スベトラーナ 自由を求めたスターリンの娘

二〇二三年、フランスの制作。

「スターリンの娘」ということについてはほとんど知るところがなかった。録画してあった番組を見てから検索してみて、『スターリンの娘』の邦訳が出ていることを知った。二〇一七年の刊行である。

NHKの映像の世紀はほとんど見ているはずだが、これまで「スターリンの娘」が出てきたことはなかったのではないだろうか。

まさに波乱の人生である。「スターリンの娘」として生まれ、そしてそれを生きざるを得なかった人生である。月並みな言い方になるが、ある意味では、歴史の被害者と言えるかと思う。

興味深かったことの一つは、アメリカに亡命したとき、その当時の西側諸国では女性の地位は高くなかった、むしろソ連の方が女性の地位が高かった。これは、その時代の共産主義国家のあり方を考えるならば、男女を問わず国家の建設に奉仕すべきという共産主義国家の方が、女性の地位が高かったというのは、なるほどそうなのだろうと思う。(余計なことだが、今の中国における女性の地位ということはどのように評価されることになるのだろうか。)

ロシア正教の洗礼を受けていた。ソ連にあっては、ロシア正教を信仰するということも、公的には認められることではなかった。さて、彼女のその後の信仰はどうだったのだろうか、このあたりも気になる。

といって、これから『スターリンの娘』を買って読んでみようという気にはならないでいる。もうそこまでの元気はない。それよりも、古典を読みたいと思っている。

2024年1月25日記