「H3ロケット 失敗からの再起 技術者たちの348日」 ― 2024-04-27
2024年4月27日 當山日出夫
NHKスペシャル H3ロケット 失敗からの再起 技術者たちの348日
はっきり言って、「新プロジェクトX」よりも面白い。
かなり淡々と技術者たちの行動を追っている。それだけに、そこからにじみ出てくるロケット開発への思いとか、苦労とか、工夫とか、様々な感情が感じとれる。H3ロケットの発射が成功したときの喜びの表情は、ほんとうにうれしそうだった。ここに、感動を誇張するナレーションなどは要らない。
ただ、ロケット開発には秘密となる部分も多くあるのだろうから、取材できて放送できる範囲というのは限られる。しかし、その範囲でも、実にいろんな人びとの苦心の積み重ねであることが理解される。
印象に残ることは、すでに実績のある技術であっても失敗の原因かもしれないと疑ってかかるという姿勢である。これはなかなか出来るものではないと思う。
また、前回の失敗から一年未満で発射に成功したということも見事である。設計、製造にかかわる一連のシステムがきちんと把握できるからこそ可能になったということになる。初号機の打ち上げのときには、すでに二号機以降の製造も進んでいるということでいいのだろう。それに対して、木構造の原因究明を行うことができるというのも、見事というべきである。
成功よりも失敗から学ぶことが多い。これはとても重要なメッセージである。まだ日本は失敗できるだけの力があるというべきであろう。
2024年4月25日記
NHKスペシャル H3ロケット 失敗からの再起 技術者たちの348日
はっきり言って、「新プロジェクトX」よりも面白い。
かなり淡々と技術者たちの行動を追っている。それだけに、そこからにじみ出てくるロケット開発への思いとか、苦労とか、工夫とか、様々な感情が感じとれる。H3ロケットの発射が成功したときの喜びの表情は、ほんとうにうれしそうだった。ここに、感動を誇張するナレーションなどは要らない。
ただ、ロケット開発には秘密となる部分も多くあるのだろうから、取材できて放送できる範囲というのは限られる。しかし、その範囲でも、実にいろんな人びとの苦心の積み重ねであることが理解される。
印象に残ることは、すでに実績のある技術であっても失敗の原因かもしれないと疑ってかかるという姿勢である。これはなかなか出来るものではないと思う。
また、前回の失敗から一年未満で発射に成功したということも見事である。設計、製造にかかわる一連のシステムがきちんと把握できるからこそ可能になったということになる。初号機の打ち上げのときには、すでに二号機以降の製造も進んでいるということでいいのだろう。それに対して、木構造の原因究明を行うことができるというのも、見事というべきである。
成功よりも失敗から学ぶことが多い。これはとても重要なメッセージである。まだ日本は失敗できるだけの力があるというべきであろう。
2024年4月25日記
「未来のインフラ“3次元点群データ”最前線」 ― 2024-04-27
2024年4月27日 當山日出夫
サイエンスZERO 未来のインフラ“3次元点群データ”最前線
点群データということばはこの番組で知った。
自動運転が実用化されるためには、このような技術の開発と進歩があってのことなのか、と思うところがあった。
森林の管理が簡単にできるようになったというのも、とても面白い。
地域全体を点群データ化することによって、今後の防災など実に多様な利用が可能になってくることは理解できそうである。
これがオープンデータであるというのも、意味がある。また、それが記録に残ると、将来の災害のときなどに、復旧の役に立つことになる。静岡県のこころみは、いずれ日本全体へと拡張したものになるかと思う。
いいことずくめのようなのだが、天邪鬼に考えてみると……このようなデータは、重要な軍事情報でもありうる。さて、この観点からの管理はどうなっているのだろうか。もし、地域全体を点群データ化するとしても、軍事施設や原子力発電所などの詳細なデータは、公開していいものなのだろうか。
ドローンで点群データが取れるならば、今、世界で行われている戦争にも、使われているかもしれない。この番組は、科学や技術のこのような側面には触れないという方針で作ってあるのだが、技術はデュアルユースであるという視点は、常にもっておくべきかと思っている。
2024年4月26日記
サイエンスZERO 未来のインフラ“3次元点群データ”最前線
点群データということばはこの番組で知った。
自動運転が実用化されるためには、このような技術の開発と進歩があってのことなのか、と思うところがあった。
森林の管理が簡単にできるようになったというのも、とても面白い。
地域全体を点群データ化することによって、今後の防災など実に多様な利用が可能になってくることは理解できそうである。
これがオープンデータであるというのも、意味がある。また、それが記録に残ると、将来の災害のときなどに、復旧の役に立つことになる。静岡県のこころみは、いずれ日本全体へと拡張したものになるかと思う。
いいことずくめのようなのだが、天邪鬼に考えてみると……このようなデータは、重要な軍事情報でもありうる。さて、この観点からの管理はどうなっているのだろうか。もし、地域全体を点群データ化するとしても、軍事施設や原子力発電所などの詳細なデータは、公開していいものなのだろうか。
ドローンで点群データが取れるならば、今、世界で行われている戦争にも、使われているかもしれない。この番組は、科学や技術のこのような側面には触れないという方針で作ってあるのだが、技術はデュアルユースであるという視点は、常にもっておくべきかと思っている。
2024年4月26日記
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