ドキュメント20min.「運命との闘牌」2024-06-08

2024年6月8日 當山日出夫

ドキュメント20min. 運命との闘牌

私が学生のころ……もう半世紀ほど昔のころのことになるが……学生の間では、麻雀がはやっていた。しかし、私はまったく興味がなかった。触れたこともないし、ルールも知らない。

今、麻雀が社会的にブームになっていることは、知識としては知っていたが、プロがいるとは知らなかった。世の中、変わっていくものである。

番組としては面白い。これを、別の視点から考えるとどうなるだろうか。

人間の自由意志ですべてを決めることは可能だろうか。いや、そもそも自由意志というものが存在するのだろうか。

現代では、個人の自由な意志を最も尊重する。それをはばむものは悪であり、自分の自由意志で生きて行くことが善とされる。それは、この番組で使ったことばいえば、実力ということになる。実力は、基本的には努力で手に入れるものとされる。またこれは、結果についての自己責任論ともつながる。

その一方で、人間は、ある特定の歴史的、社会的、文化的な環境の中で生まれ育つ。また、どのような才能があるかは自分で決めることはできない。現代の人間観では、それは、おおきく遺伝子に依存する。どのような遺伝子をもって、どのような環境に生まれ育つかは、自分で決めることのできないことである。これを運といってもいいだろう。

さらには、教育の分野においては、人間の人生に大きく影響するのは、生まれや出自であるのか、育ちや家庭環境や教育環境であるのか、という問題にもつながる。

運か実力かという問いは、現代社会における人間観と深くかかわる問題でもある。

2024年6月6日記

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