「シリコン・デザート インド 砂漠化するIT都市」2024-11-27

2024年11月27日 當山日出夫

BS世界のドキュメンタリー 「シリコン・デザート インド 砂漠化するIT都市」

二〇二四年、フランスの制作。

たまたまであるが、私の育った家は、小学校の低学年ぐらいまでだったと思うが、上水道が無かった。二〇〇メートルほどはなれたところに水道があって、そこまで水を汲みに行っていた。だから、上水道が完備していて、そこから飲める水がいつでも出てくるということが、当たり前であるということは、とても貴重なものであるということが、生活の実感として分かる。そのせいもあって、今でも、水を大切に使うという習慣は続いている。今から六〇年ほど昔の話しである。

インドのIT産業都市のことがテーマであるが、このような問題は、世界の各地で起こっていることであろう。地域の自然環境、生態系を無視して、強引に開発をすすめればどこかで無理が生じる。そして、そのしわ寄せは、この世のならいとして、貧しい人、弱い人ののところにくる。

IT企業で働く人たちがオフィスで仕事をする。その街では、水を売って金儲けをする人もいる。周辺の農地は水不足で仕事ができなくなり、都市部のスラムに住むしかなくなる。インドは、人口が増え経済大国へと進もうとしているが、同時に、自然環境の破壊と、社会的格差が増大している。

持続可能な都市、産業ということを考えなければならない。水の利用は計画的でなければならない。その一つの解決案は、水の再利用のシステムの確立ということになるのだろうが、これを新しい社会インフラとして整備するのは、なかなか大変そうである。

このような問題があるからといって、では、グローバルサウスの国々において、経済発展の政策を見なおせ、とは言えない。世界的な経済格差があるなかで、貧しい国は貧しいままでいろとは、言えることではない。せめて、計画的にことをすすめるように、というぐらいがせいぜいということになろう。

これは日本でも無関心でいることはできない問題である。水道事業の再編ということが課題になっている。人口の減少、地方の衰退、というようなことが言われるなかで、地方で人が生活するのに最低限のインフラは、水道と電気、それから、道路、さらには情報通信網、いうことになる。その数十年先のインフラ整備と、人口の問題は、深く関係することであるにちがいない。

水の無いところに人は住めない。この当たり前のことを、災害などのときには経験することになるが、災害時という特殊な事例のことにしてしまってはいけない。普通の生活をするために必要なことなのである、これは、未来に生きる人たちの人権の問題であり、社会正義の問題なのだ、という感覚を持つことが必要である。

2024年11月24日記

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