ドキュメント20min.「嘘つき誰だ?」2024-12-02

2024年12月2日 當山日出夫

ドキュメント20min. 嘘つき誰だ?

企画の意図は分かるけれど、すこし時代遅れかなという気がしてしまう。SNSなどにおいて、人間が多重人格となりうることは、今さら言うほどのことではない。こんな言説は昔のパソコン通信の時代からあったことである。なぜ、人間は仮想空間のなかでは、別人格となってしまうのかということの意味、あるいは、そうなる人間についての、文化的、地域的、階層的、男女差、年齢差、その他の多様な面からの考察だろう。

もう今では、AIが勝手にメッセージを書いたり、RTしたり、という時代になっているということで考えなければならないと、私は思っている。

この番組では、「嘘つき」ということを悪いことという価値観で扱っている。しかし、ネット、仮想空間において、「本当」と「ウソ」を区別することの意味があるのだろうか。

素朴な意味でのリアルな人間社会における、「本当」と「ウソ」はあるし、それは、維持されなくてはならないものである。しかし、その規範意識をそのままネット空間に投影することは、ほとんど意味がない。一昔前、「ネチズン」あるいは、「WEB2.0」などということばで語られることのあった時代なら、まだかろうじて意味があったかもしれないが、もはやそんな時代ではない。

人間とはそういうものだというふうに、従来の人間観を根本的に考えなおさないといけなくなっているのが、今のネット社会であるというのが、私の認識である。人間を考えるとき、「本当」と「ウソ」というような、真と偽ではかれるような価値観では、考えることができない。虚実皮膜の間にあるというべきだろうか。

なお、番組を見ていて、PCに貼ってあったラベルには気がついた。文字を読むだけの時間的余裕はなかったけれど。

2024年11月30日記

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