「20年目の花火」2024-12-07

2024年12月7日 當山日出夫

ザ・ベストテレビ 「20年目の花火」

事故や事件の「加害者」の側を取材するということは、あまりないことである。多くの場合は、「被害者」の側にたって、こんな理不尽なめにあった可哀想なひと、という視点で作ることが多い。

南国花火の社長の心中は、いったいどうだったのだろうか。二〇年の間、何を考えてきたのだろうか。同じ会社の名前を存続させて、花火にかかわる仕事をつづけてきたといのは、そこに深く考えることがあってのことにはちがいない。

いろいろと思うことがあるが、それが、見るものの想像力に任されているというところが、ある意味でもどかしくもあり、また、この番組の奥行きの深さにもつながる。

事件とか事故とかがあった場合、よく犯人の心の闇、というようなことを言う。はたして、そう簡単に人間は心のうちを理解できるものなのだろうか。それは、自分自身でもよく分かっていないにちがいない。自分の心のうちは自分が一番よく分かっているというのは、傲慢である。逆に、専門家……精神科医であったり、臨床心理士であったり……なら、それが分かるというものでもないだろう。なにがしかの説明はできるかもしれないが、これもまた、人間というものを分かっていないと言わざるをえない。かといって、専門知が不要ということではない。せいぜいできることは、分からないことについて、社会的に合意できる形を与えること、といっていいかと思っている。

それにしても、近年、花火というのは、手軽に見るものではなくなってきた。花火大会は、有料の観覧席のチケットを購入するお客さんだけのもの、という流れになってきている。いろんなコストなどのことを考えると、これはやむをえないのかもしれないが。

2024年12月6日記

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