『おむすび』「これがうちの生きる道」2025-01-19

2025年1月19日 當山日出夫

『おむすび』「これがうちの生きる道」

この週の放送の金曜日が、一月一七日になる。この日にあわせて、震災のこと……二〇一一年の東日本大震災のことと、一九五五年の阪神・淡路大震災のこと……を描くことになった。これは、この日程に合わせた脚本と理解しておくべきだろう。

褒めるところ、いいところとしては……災害のときの支援のあり方を、栄養士という視点から描いていることがある。災害があって、被災した人に、ただ食べ物を配給すればいいというだけではなく、人それぞれに必要とする食事や栄養は違ってくる。これらに配慮した食事の提供がなされなければならない、ということである。

阪神・淡路の震災の経験をした人が、東北の地震のときに何を感じることになったか、この観点をドラマで描くということは、意味のあることである。

また、被災地への支援物資の送り方として、一つの箱には一つの種類のものを入れて、その中に何が入っているか分かるようにしておくこと。これは、現在では、かなり一般的になった考え方であるが、それを実際の映像として見せていることである。

さらには、支援物資の整理ということも、実際には重要な作業である。

このドラマでは、結と翔也の二人は、二人で等分に協働して家庭をきずいていこうという方針である。こういう価値観は、この時代を背景にしたドラマならではのものということになる。このあたりは、現代の価値観として、多くの人に受け入れられるところだろう。

ただ、その一方で、話しの作り方があいかわらず雑だと感じるところもある。

結は栄養士から管理栄養士になりたいと思うのだが、栄養士と管理栄養士の違いについて、はっきり分かっているとは言いがたい。ドラマのなかで、このことについて、分かりやすく説明があったということもない。

普通には、管理栄養士は、四年制大学の専門の学部……昔風の言い方をすれば、家政学部であるが、最近ではいろんな名称になっている、女子大学が多い……を出て、栄養士の資格を得て、それから、卒業して管理栄養士の受験の資格を得る、その後、試験をうけて合格すれば、管理栄養士、ということが一般的かと思う。これ以外にも、栄養士の資格があれば、実務経験と試験で、管理栄養士になることもできる。

何故、結は管理栄養士になりたいと思うようになったのか、ここのところを、どの資格があれば、どのような仕事をすることになるのか、という観点からきちんと描く必要があるが、ここのところが、ドラマを見ていると説得力がないという気がする。

あいかわらず、靴屋の仕事も、パン屋の仕事も、理容店の仕事も、このドラマは仕事を描かない。これはやはり見ていて説得力に欠けることになる。

2025年1月17日記

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