100カメ「“世界タウン”新大久保 日本で暮らす外国人たちの素顔」 ― 2025-03-07
2025年3月7日 當山日出夫
100カメ “世界タウン”新大久保 日本で暮らす外国人たちの素顔
これは、BSで放送の完全版の方を見た。
大久保については、これまでにいろんな番組が作られてきている。それぞれに、この街のある側面をきりとったものであり、特に、日本における外国人の生活のリアルを描いたものになっているとは思う。たしかに、大久保は、日本のなかでかなり特殊なエリアである。だからこそ見えてくるものもあるだろうし、逆に、その特殊性の故に見えない部分もあるかもしれない。
他の地方で暮らす多くの外国人(その多くは労働者であるが)については、ブラジルの日系人であったり、ベトナム人であったり、それぞれに事情があるだろう。最近の事例としては、言うまでもないが、川口のクルド人、と言われる問題がある。このごろ、ようやく、この言い方が使えるようになってきたが、去年まで、川口とも、クルド人とも、言っただけで、それはヘイト発言だと非難されるところもあった。せいぜい言うとして、トルコ国籍の外国人、ぐらいであった。
テレビ番組であつかうとなると、非の打ち所無く善良な人びとか、あるいは、どうしようもない犯罪者か、という両極端な描き方になるのだが、これはこれで、かなり問題があると、私は思っている。普通に生活している、大多数の人びとが、どんなふうであるのか、この全体像、実態を、伝えるのがマスコミの役割だろう。
「100カメ」の大久保の回であるが、この街は、かなり古くから、といってもここ二〇~三〇年ぐらいということだろうが、韓国を中心としてアジア系の外国人の多く集まる地域として、いろんな面から注目を集める地域になってきている。(私が学生として東京に住んでいた、半世紀ほど前には、なんの変哲もない、新宿の周辺の街だったと記憶するが。)
多文化、多言語、多宗教……の混在する街として、かなり肯定的に描いていたのだが、これはこれとして、一つの方針だろう。この番組には描かれていない、陰の側面もあるには違いないと思うが、それを強いて取り出して見るというようなこともない。
この大久保の街にいる外国出身の人たちは、これからどうなるのだろうか。いずれ、母国に帰るのか、あるいは、日本に住み続けることになるのか。これからの、日本の社会のあり方にかかわることになる。見方によっては、もはや、日本は「夢」をかなえてくれる国ではなくなってきているということもある。
番組ではあつかっていなかったが、この地域で生活する人びとの、日本における在留資格のこととか、また、生まれた子どもの教育のこととか、いろいろと問題があることになる。
日本で生活するならば、日本の社会の基本的ルールは守るべきである。これぐらいは言っていいことにちがいない。(こういうことさえ許さないのが、近年のいわゆるリベラルということになる。だが、それでは建設的な議論とならない。)この番組では、この日本で生活するには日本の社会の基本的ルールを守る、そうであるならば、外国人だからといって排斥することもないし、うまく共存していくことはできる……このようなメッセージを伝えることにはなっていたと思う。
2025年3月2日記
100カメ “世界タウン”新大久保 日本で暮らす外国人たちの素顔
これは、BSで放送の完全版の方を見た。
大久保については、これまでにいろんな番組が作られてきている。それぞれに、この街のある側面をきりとったものであり、特に、日本における外国人の生活のリアルを描いたものになっているとは思う。たしかに、大久保は、日本のなかでかなり特殊なエリアである。だからこそ見えてくるものもあるだろうし、逆に、その特殊性の故に見えない部分もあるかもしれない。
他の地方で暮らす多くの外国人(その多くは労働者であるが)については、ブラジルの日系人であったり、ベトナム人であったり、それぞれに事情があるだろう。最近の事例としては、言うまでもないが、川口のクルド人、と言われる問題がある。このごろ、ようやく、この言い方が使えるようになってきたが、去年まで、川口とも、クルド人とも、言っただけで、それはヘイト発言だと非難されるところもあった。せいぜい言うとして、トルコ国籍の外国人、ぐらいであった。
テレビ番組であつかうとなると、非の打ち所無く善良な人びとか、あるいは、どうしようもない犯罪者か、という両極端な描き方になるのだが、これはこれで、かなり問題があると、私は思っている。普通に生活している、大多数の人びとが、どんなふうであるのか、この全体像、実態を、伝えるのがマスコミの役割だろう。
「100カメ」の大久保の回であるが、この街は、かなり古くから、といってもここ二〇~三〇年ぐらいということだろうが、韓国を中心としてアジア系の外国人の多く集まる地域として、いろんな面から注目を集める地域になってきている。(私が学生として東京に住んでいた、半世紀ほど前には、なんの変哲もない、新宿の周辺の街だったと記憶するが。)
多文化、多言語、多宗教……の混在する街として、かなり肯定的に描いていたのだが、これはこれとして、一つの方針だろう。この番組には描かれていない、陰の側面もあるには違いないと思うが、それを強いて取り出して見るというようなこともない。
この大久保の街にいる外国出身の人たちは、これからどうなるのだろうか。いずれ、母国に帰るのか、あるいは、日本に住み続けることになるのか。これからの、日本の社会のあり方にかかわることになる。見方によっては、もはや、日本は「夢」をかなえてくれる国ではなくなってきているということもある。
番組ではあつかっていなかったが、この地域で生活する人びとの、日本における在留資格のこととか、また、生まれた子どもの教育のこととか、いろいろと問題があることになる。
日本で生活するならば、日本の社会の基本的ルールは守るべきである。これぐらいは言っていいことにちがいない。(こういうことさえ許さないのが、近年のいわゆるリベラルということになる。だが、それでは建設的な議論とならない。)この番組では、この日本で生活するには日本の社会の基本的ルールを守る、そうであるならば、外国人だからといって排斥することもないし、うまく共存していくことはできる……このようなメッセージを伝えることにはなっていたと思う。
2025年3月2日記
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